社内問い合わせAIの料金表は、初期費用、月額、上限の単位の3つを最初に見ます。中でも上限の単位が「人数」か「AIの回答回数」かで、社員が増えたときの支払いの増え方が変わります。初期費用は金額ではなく、何をしてもらう費用かを内訳で確かめます。無料プランや試用期間では、上限に達したときに止まるのか課金されるのかを試しておきます。見積もりをもらったら、この順に読んでから相手に質問します。
料金表では、初期費用、月額、上限の単位の3つを最初に見ます
提案書や料金表には、機能の一覧、サポートの内容、契約期間など多くのことが書いてあります。支払う金額を決めるのは、そのうち3つです。
- 初期費用。契約したときに1回だけ払うお金です。0円の製品もあれば、数十万円かかる製品もあります
- 月額。毎月払うお金です。年払いの製品は12で割って、月額に直してから比べます
- 上限の単位。その月額でどこまで使えるかを決めるものです。「人数」「AIの回答回数」「部門数」などがあります
この3つを見積もりから書き出し、「初期費用+月額×12か月」で1年目の総額を出します。2年目からは月額×12か月です。上限を超えたときの追加料金があるなら、超えそうな月の分を足します。
稟議を通す責任者が見るのは、1年目の総額と、社員が増えたときにその額がどう変わるかの2つです。機能の多さは、この2つが分かってから比べます。
上限の単位が「人数」か「回答回数」かで、社員が増えたときの支払いが変わります
上限の単位は、大きく2つに分かれます。
1つは人数で決まる型です。料金表には「ユーザー数」「ID数」「アカウント数」と書かれています。使う社員1人あたりの月額が決まっている場合と、「300人まで」のような段階で月額が決まる場合があります。社員が増えれば月額も増え、使わなかった人の分も払います。
もう1つはAIの回答回数で決まる型です。月にAIが答える回数の上限で段階が決まり、社員の人数は月額に関係しません。質問が少ない月も同じ額を払い、上限を超えた月は次の段階に上がるか、追加で課金されます。
数字を仮に置いて計算してみます。たとえば、人数で決まる型で1人あたり月400円なら、社員300人で月12万円です。社員が600人に増えると月24万円で、支払いは2倍になります。
一方、回答回数で決まる型で「月600回まで月12万円」と仮に置くと、社員が600人になっても、月の質問が600回に収まっていれば月12万円のままです。質問が月900回に増えたら、たとえば「月1,200回まで月18万円」の段階に上がります。支払いを動かすのは社員の数ではなく、実際にAIが答えた回数です。
どちらが安いかは、社員数ではなく質問の件数で決まります。拠点が多く、質問する社員が限られる会社では、人数で決まる型は使わない人の分まで払うことになります。反対に、少ない社員が毎日のように質問する会社では、回答回数で決まる型のほうが高くつくことがあります。
計算の前に、質問が月に何件来ているかを2週間ほど数えておきます。経費精算の締め日を聞かれたらや電車代やバス代の精算方法を聞かれたらのような、答えの決まった質問が中心です。件数を月に直せば、回答回数の段階のどこに入るかが分かります。
人数で決まる型では、誰を人数に数えるかも確かめます。全社員か、登録した人だけか、実際に質問した人だけかで、同じ製品でも月額が変わります。パートや派遣社員、拠点の社員を含めるかも聞いておきます。回答回数で決まる型では、1回の数え方を確かめます。1つの質問への返事を1回と数えるのか、聞き直すたびに数えるのかを聞きます。AIが答えられずに担当者へ回した分も数えるかどうかで、必要な段階が変わります。
初期費用と「構築費」は、何をしてもらう費用かを確かめます
初期費用は「初期設定費」「構築費」「導入支援費」などの名前で出てきます。金額だけを見比べても、何が含まれているかが違えば比べられません。中身を洗い出し、相手にしてもらう作業と、自分でできる作業に切り分けます。
| 初期費用に入りやすい作業 | 自分でできるか |
|---|---|
| アカウントの発行と、チャットツールへの接続 | 設定の手順が公開されていれば、情シスで済むことが多い |
| 今ある規程や手順書、FAQをAIが読める形にする | 資料をそのまま渡せる製品なら、渡すだけで済む。FAQを書き起こす製品なら、担当者の時間がかかる |
| AIに答えさせない話題や、答え方の調整 | 自社で決める内容なので、設定画面があれば自分でできる |
| 社員向けの説明会と、担当者向けの操作説明 | 説明の資料をもらえれば、社内の朝礼やチャットで済む |
| 部門や拠点を増やすときの追加設定 | 後から発生する費用なので、初期費用に入っているかを聞く |
いちばん差が出るのは、資料を取り込む作業です。今ある規程や手順書をそのまま渡せばよい製品と、こちらでFAQを1問1答の形に書き起こす製品があります。後者は初期費用が安く見えても、担当者の時間が数週間分かかります。
「初期費用0円」の場合は、逆に何が含まれていないかを確かめます。説明会は自分で開く、資料の整理は自分でやる、というように、0円の分だけ自社の作業になっていることがあります。それでも、担当者が普段の仕事のついでにできる範囲なら、払うより安く済みます。
無料プランや試用期間では、上限に達したときの動きを確かめます
無料で使える範囲には2種類あります。期限がなく、月の上限まで無料で使える「無料プラン」と、30日などの期限つきで、有料と同じ機能を使える「試用期間」です。どちらも、始める前に3つを確かめます。
1つめは、上限に達したときの動きです。止まるのか、自動で課金されるのかを聞きます。止まるなら、社員の画面に「今月は上限に達しました」と出るのか、返事がないまま終わるのかを確かめます。返事がないまま終わると、社員は担当者に聞き直しに来ます。課金されるなら、誰が承認するのか、上限に近づいたときに通知が来るのかを確かめます。
2つめは、期限です。期限が来たら自動で有料に切り替わるのか、使えなくなるのかを聞きます。試用の申し込みにクレジットカードの登録が要る製品は、切り替わる日を控えてから始めます。
3つめは、無料で使える機能と人数が本番と同じかどうかです。1部門だけ、10人までのように範囲が狭いと、試した結果を全社の見積もりに使えません。
- はい期限が来ると自動で有料に切り替わるか
- はい切り替わる日と止め方を控えてから始める
- いいえ期限までに測る数字を決めてから始める
- はい
- いいえ月の上限に達すると自動で課金されるか
- はい上限に近づいたときの通知と、止める設定を確かめる
- いいえ止まったときに社員の画面に何が出るかを確かめる
- はい
試している間は、月の質問の件数、AIが答えた件数、担当者に回った件数の3つを数えます。この数字が、有料にするときにどの段階を選ぶかの材料になります。
見積もりをもらったら、この5つを聞きます
見積もりを読んでから稟議に回すまでは、次の順で進めます。
- 1初期費用、月額、上限の単位に丸を付ける
- 2上限の単位を自社の数字に置き換え、1年目の総額を出す社員が増えた場合の額も出す
- 3初期費用の内訳を、相手がやる作業と自分でできる作業に分ける
- 45つの質問を送り、回答を見積もりに添える
- 51年目の総額と、社員が増えたときの増え方を稟議に書く
相手に聞く5つの質問は、そのまま送れる文にしておきます。【】は自社の数字に置き換えます。
- 「月額の上限の単位は何ですか。人数なら、パートや派遣社員、拠点の社員も含めた全社員を数えますか。回答回数なら、聞き直しや、担当者に回った分も1回と数えますか」
- 「社員数が今の【300人】から【600人】に増えたとき、月額はいくらになりますか。契約の途中で増えた場合、いつから反映されますか」
- 「月の上限に達したときは、止まりますか、追加で課金されますか。上限に近づいたときに通知はありますか」
- 「初期費用の内訳を教えてください。今ある規程や手順書をそのまま渡せばよいですか。こちらでFAQを書く必要はありますか。部門や拠点を増やすときに追加の費用はかかりますか」
- 「無料プランや試用期間に期限はありますか。期限や上限のあとに自動で有料になりますか。契約期間の縛りと、解約の条件も教えてください」
回答は、見積もりと一緒に稟議に添えます。責任者が見たいのは、1年目にいくら払うか、社員が増えたらいくらになるか、やめるときにどうなるか、の3つです。この3つに答えがそろっていれば、機能の説明を長く書く必要はありません。
公開されている料金表を1つ、この見方で読みます
例として、株式会社AutomagicaのカリスマAIの公開料金を、この順に読みます。上限の単位はAIの回答回数です。フリープランは0円で月50回まで、ライトは月額5万円で月300回までです。スタンダードは月額15万円で月1,000回まで、プレミアムは月額30万円で月2,500回までです。月2,500回以上はエンタープライズで、見積もりになります。プランの違いはAIの回答回数だけで、使う人数に上限はありません。初期費用はキャンペーンで0円になる期間があるので、申し込む時点の料金ページで確かめます。いずれも2026年9月15日に料金ページで確認した数字です。
