社用車の給油や洗車のルールを聞かれたら

社員からはこう聞かれます
- 社用車のガソリンって、自分で入れて立て替えておけばいいですか?
- 返す前に洗車したほうがいいですか?
- 給油カードが見つからないんですが、どこにありますか?
ひと言でいうと
社用車の燃料代や洗車代は業務のための費用なので、社員が自分で負担するものではありません。【給油カードの置き場所】にあるカードで給油してもらい、立て替えたときは【精算方法】で精算します。洗車は【洗車のルール】を伝え、給油や洗車のついでにランプの点灯やタイヤの状態も見てもらいます。
給油や洗車の問い合わせは、社用車を借りる手続きよりあとから出てきます。社員が気にしているのは、自分の財布から出した分が戻ってくるか、返したあとで「入れずに返した」と言われないかです。答えるときは、お金の出し方と、返すときの状態の2つをはっきりさせます。
- 1社員車ごとの燃料の種類を確かめる
- 2社員給油カードがあればカードで給油する
- 3社員カードがなければ立て替えてレシートをもらう
- 4社員ランプとタイヤを目視で点検する適切な時期に
- 5会社立て替え分を精算する
- 6会社定期点検を手配し記録簿に書く自家用乗用車は1年ごと
出典:国土交通省「点検整備の種類」
答えるときに押さえること
1給油は、カードで払うのか立て替えるのかを先に答える
給油の問い合わせには、支払い方を先に答えます。給油カードを車に積んでいる会社なら、置き場所と暗証番号の扱いを伝えます。カードがない会社や、提携していないスタンドで入れたときは、社員が立て替えてあとで精算します。
立て替えになる場合は、レシートをもらうことと、宛名が要るかどうかまで伝えます。セルフのスタンドでは、給油機の横の発行機からレシートが出ます。受け取り損ねたときの扱いは、経理の決まりに合わせて案内します。
「満タンにして返すのか、減ったら入れるのか」も聞かれます。次に使う人が困らないよう、残量が4分の1を下回ったら給油する、といった目安を決めておくと答えやすくなります。
2洗車は、誰がいつやるかを決めてから案内する
洗車を社員ひとりの判断に任せると、毎回やる人とまったくやらない人に分かれます。返却時の決まりとして書いておくのは、車内のごみを持ち帰ること、泥がついたときは洗うこと、長い出張から戻ったときは洗って返すこと、くらいで足ります。
洗車機やコイン洗車場の代金を会社が持つなら、払い方をレシートの扱いとあわせて伝えます。手洗いの道具を車庫に置いている会社では、置き場所も伝えます。
月に1回などの定期的な洗車は、社員ではなく担当者か業者の仕事に分けたほうがそろいます。社員に頼むのは、使ったあとに気づいた汚れの処理までにします。
3燃料の種類は、車ごとに書き出して渡す
入れ間違いは、給油の問い合わせのなかで一番やり直しが大変なものです。ディーゼル車にガソリンを入れると、燃料を抜いて配管を洗う作業が必要になり、修理代も日数もかかります。
社内FAQには「3号車は軽油」のように車ごとの燃料を書きます。給油口のふたの内側や、鍵につけるタグにも同じ表示をしておくと、スタンドで迷いません。レギュラーとハイオクの区別も同じように書きます。
入れ間違いの連絡が来たら、エンジンをかけないよう伝えるのが先です。そのうえで【トラブルの連絡先】につなぎます。
4給油や洗車のついでに、日常点検を頼む
日常点検は、自動車の使用者に法律で義務づけられています。灯火装置の点灯や制動装置の作動など、日常的に点検すべき事項を目視などで確かめます(道路運送車両法第47条の2第1項)。
自家用の乗用車や軽自動車は、走行距離や運行時の状態などから判断した適切な時期に行えばよく、毎日でなくてかまいません。一方、バスやトラック、タクシーなどの事業用自動車と、車両総重量8トン以上の自家用自動車は、1日1回、運行を始める前に点検します(同条第2項)。
給油や洗車のときは車の周りを歩くので、点検を頼みやすい場面です。ランプの点灯、タイヤの溝と空気圧、ウォッシャー液の量といった数項目に絞り、チェックシートを車に置いておきます。点検して気になるところがあれば、社員が直すのではなく担当者に知らせてもらいます。
5定期点検と記録簿は会社の仕事として残す
定期点検は、車の種類と用途で時期が変わります。自家用の乗用車や軽自動車は1年ごとに29項目、2年ごとに60項目です。自家用の中小型トラックと乗用車のレンタカーは6か月ごとに24項目、12か月ごとに86項目です。事業用のバス、トラック、タクシーと自家用の大型トラックは3か月ごとに51項目、12か月ごとに101項目です。
点検や整備をしたときは、点検整備記録簿を車に備え置いて、点検の年月日、点検の結果、整備の概要などを書きます(道路運送車両法第49条)。保存期間は、自家用の乗用車などは記載の日から2年間、事業用自動車や車両総重量8トン以上の自家用自動車などは1年間です(自動車点検基準第4条第2項)。
社員から「点検はいつですか」と聞かれたら、車ごとの次回の時期を答えられるようにしておきます。車検と定期点検を別に数えている会社もあるので、社内FAQには両方の時期を書きます。
自社の規程で確認すること
会社によって答えが変わる部分です。社員に答える前に確かめてください。
- 給油カードの置き場所と、使えるガソリンスタンド
- 立て替えた燃料代や洗車代の精算方法と、レシートの提出先
- 満タンで返すか、残量がどれくらいになったら給油するか
- 洗車の頻度、洗車してよい場所、洗車の道具の置き場所
- 車ごとの燃料の種類(レギュラー、ハイオク、軽油)
- 日常点検の担当と、点検整備記録簿の置き場所
- 入れ間違いや故障に気づいたときの連絡先
社内FAQに貼れる回答文例
【】の部分を自社の内容に書き換えて使えます。
Q. 社用車のガソリン代や洗車代は、どうすればいいですか?
A. 社用車の燃料代と洗車代は会社が負担します。給油は【給油カードの置き場所】にある給油カードでお願いします。カードが使えないスタンドで入れたときは、レシートをもらって【精算方法】で精算してください。燃料の種類は車ごとに違うので、【車ごとの燃料の一覧】で確かめてから給油してください。返すときは車内のごみを持ち帰り、泥や汚れが目立つときは【洗車の場所】で洗ってください。給油や洗車のついでに、ランプの点灯とタイヤの空気圧を見ていただけると助かります。気になるところがあれば【トラブルの連絡先】までお知らせください。
続けて聞かれやすいこと
洗車機を使ったのですが、レシートが出ませんでした。精算できますか?
洗車機や駐車場で領収書が出ないときの扱いは、会社の経理の定めによります。使った日、場所、金額を【精算方法】の備考に書いて出してもらいます。クレジットカードの利用明細を添えてよいかも、あわせて案内します。
日常点検は、毎回やらないといけないんですか?
社用車が自家用の乗用車や軽自動車なら、走行距離や運行時の状態などから判断した適切な時期に行えばよく、毎日は求められていません。ただし、事業用自動車と車両総重量8トン以上の自家用自動車は、1日1回、運行を始める前に点検します。自社の車がどちらかは【車ごとの区分】で確かめます。
ガソリン代を立て替えたら、ポイントは自分のものにしていいですか?
会社の費用で払った分のポイントを個人のカードにためてよいかは、会社の決まり次第です。【ポイントの扱い】に沿って答えます。決めていない会社では、立て替えを認める範囲とあわせて先に決めておきます。
答えるときに間違えやすいこと
- 燃料代や洗車代を社員の自腹にしない。業務で使った分は会社の費用として精算する
- 日常点検を社員に丸投げしない。点検と整備の義務は自動車の使用者、つまり会社にある(道路運送車両法第47条)
- 1日1回の運行前の点検を、すべての社用車の義務だと思い込まない。対象は事業用自動車と車両総重量8トン以上の自家用自動車などに限られる
- 入れ間違いの連絡を受けたら、まずエンジンをかけないよう伝える。走ってから相談されると修理の範囲が広がる
- 車検の時期と定期点検の時期を混ぜて答えない。社内FAQには両方の時期を書く