健康診断の日程や受け方を聞かれたら

社員からはこう聞かれます
- 今年の健康診断っていつですか?
- 自分で人間ドックを受けたら、会社の健診は受けなくていいですか?
- 健診で再検査と言われたんですが、費用は自分持ちですか?
ひと言でいうと
今年の健康診断は【実施期間】に【医療機関名】で受けられるので、【予約方法】で予約してもらいます。年1回の健康診断は法律で決まっていて、社員の側にも受ける義務があります。
健康診断の問い合わせでは、日程と場所のほかに、人間ドックで代えてよいか、再検査の費用は誰が払うかもよく聞かれます。「忙しいので今年は受けなくていいですか」という本音が混ざっていることもあります。
出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう」
答えるときに押さえること
1年1回の健康診断は、会社の義務で、社員にも受ける義務がある
労働安全衛生法と労働安全衛生規則第44条により、会社は常時使用する労働者に、1年以内ごとに1回、医師による健康診断を行わなければなりません。社員の側も、会社が行う健康診断を受けなければならないと定められています(労働安全衛生法第66条第5項)。
「忙しいので今年は受けなくていいですか」と聞かれたら、法律で受けることになっている健診だと伝え、受けられる日の候補を示します。深夜業を含む業務などに常時従事する人は、6か月以内ごとに1回の健康診断が必要です。
2パートや契約社員も対象になることがある
対象になる「常時使用する労働者」には、正社員以外の人も入ります。期間の定めのない契約か1年以上使用される予定があり、1週間の所定労働時間が同じ業務をする通常の労働者の4分の3以上であれば対象です。4分の3未満でも、おおむね2分の1以上の人には実施するのが望ましいとされています(石川労働局のFAQ)。
「私も受けられますか」と聞かれたら、雇用契約の期間と週の労働時間を見てから答えます。
3人間ドックや自分で受けた健診の結果でも代えられる
社員は、会社が指定した医師の健康診断を受けたくない場合、ほかの医師による同じ内容の健診を受け、その結果を証明する書面を会社に出すことができます。人間ドックの結果の写しを出してもらえば、その項目については会社の健診を重ねて受ける必要はありません。
市区町村が行う健診には、法律で決まった項目がすべて入っていないものがあります。足りない項目は別に受けて、その結果も出してもらいます。結果を出す期限と提出先は会社で決めて伝えます。
4費用は会社が負担する。受診している時間の賃金は会社の規程で決める
法律で義務づけられた健康診断の費用は、会社が負担すべきものとされています(厚生労働省)。「自己負担はありますか」と聞かれたら、法律で決まった健診については会社が負担すると答えられます。社員が自分で追加したオプション検査の費用をどうするかは、会社で決めておきます。
健診を受けている時間の賃金は、会社が支払うことが望ましいとされています(沖縄労働局のQ&A、昭和47年9月18日基発第602号)。勤務時間中に受けてよいか、その時間を勤務として扱うかは、自社の規程を見て答えます。
5再検査や精密検査を勧められたら、受診と結果の提出を案内する
再検査や精密検査の費用を誰が負担するかは法令で決まっておらず、労使の話し合いや就業規則で決める事項です。ただし、健診の項目の値を確かめるための再検査は、健診の範囲として会社が負担するのが望ましいとされています(石川労働局のFAQ)。
会社は、健診で異常の所見があった社員について、就業上の措置について医師の意見を聴く必要があります。社員には再検査を受けて結果を出してもらうよう伝えます。健診の結果は健康に関わる情報なので、結果を見られる担当者を限った窓口に出してもらいます。
自社の規程で確認すること
会社によって答えが変わる部分です。社員に答える前に確かめてください。
- 今年の実施期間、医療機関、予約の方法
- 人間ドックなどで代える場合の、結果の提出期限と提出先
- 会社が費用を負担する範囲(オプション検査、人間ドックの補助)
- 健診を受けている時間を勤務時間として扱うか
- 再検査や精密検査の費用と、受診する時間の扱い
- 健診結果の提出先と、結果を見られる担当者の範囲
社内FAQに貼れる回答文例
【】の部分を自社の内容に書き換えて使えます。
Q. 健康診断はいつ、どうやって受ければいいですか?
A. 今年の健康診断は【実施期間】です。【医療機関名】で受けられます。【予約方法】で予約してください。
定期健康診断は、法律で年1回受けることになっています。費用は会社が負担します。受診している時間は【勤務時間の扱い】です。
ご自身で人間ドックを受けた場合は、結果の写しを【提出期限】までに【提出先】へ出してください。法律で決まった項目が足りない場合は、足りない項目を別に受けてください。
再検査や精密検査を勧められたら、受診して結果を【提出先】に出してください。費用は【再検査の費用の扱い】です。
続けて聞かれやすいこと
育休中で、健診の時期に受けられません
育児休業や療養で休んでいる間に健診の時期が来た場合は、受けなくても差し支えありません。休業が終わったら、速やかに受けてもらいます。
健診の結果は、会社の誰が見るんですか?
【結果を扱う担当者の範囲】に沿って答えます。会社は、異常の所見があった人について医師の意見を聴く必要があるため、結果は会社に出してもらいます。
人間ドックの費用は会社が出してくれますか?
法律で会社が負担すべきとされているのは、法律で決まった健康診断の費用です。人間ドックの補助があるかは【人間ドックの補助の有無】に沿って答えます。
答えるときに間違えやすいこと
- 「忙しければ受けなくてもよい」と答えてしまう。社員にも受ける義務がある
- 市区町村の健診の結果をそのまま受け取り、足りない項目を確かめない
- 法律で決まった健診の費用を、社員の自己負担と案内する
- 再検査の費用を「法律で会社負担と決まっている」と言い切る。法令では決まっておらず、会社のルールで決める