人事・労務

有給休暇の申請方法を聞かれたら

2026年9月14日に内容を確認

社員からはこう聞かれます

  • 有給ってどうやって取ればいいですか?
  • 来週金曜に休みたいんですが、何か出す必要ありますか?
  • 有給を取るとき、理由は書かないとだめですか?

ひと言でいうと

【申請システム名】から、休みたい日の【何営業日前】までに申請してください。取得の理由は書かなくても申請できます。

社員が知りたいのは、申請の手順と締め切りです。その裏には「急に休むと迷惑かな」「理由を聞かれたら何と答えよう」という遠慮もあります。手順と一緒に、法律で社員に認められている範囲を伝えると、次からは迷わず申請できます。

有給休暇の申請から取得までの流れ
  1. 1社員システムから申請する
  2. 2上司申請を確認して承認する
  3. 3社員申請した日に休暇を取得する

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)「労働基準法」

答えるときに押さえること

1申請の手順と締め切りは、就業規則を見て答えます

有給休暇を、いつまでに、何を使って、誰に申請するかは、就業規則や社内のルールで決まっています。答える前に、申請に使うシステムや書式、申請の締め切り、承認する人(直属の上司か所属長か)の3つを確かめておきます。

半日単位や時間単位で取れるかも、続けてよく聞かれます。半日単位は、社員が希望し、会社が認めていれば取れます。時間単位は、会社が労使協定を結んでいる場合に限り、年5日分まで取れます。自社でどちらを使えるかを一覧にしておくと、すぐ答えられます。パートやアルバイトからの申請も、正社員と同じ手順で受け付けます。申請の画面が見つからないという問い合わせに備えて、画面の場所を画像付きで社内FAQに載せておきます。

2休む日を決めるのは社員で、理由は取得の条件になりません

労働基準法39条では、有給休暇は社員が請求した時季に与えるのが原則です。会社が別の日に変更できるのは、その日に休まれると事業の正常な運営を妨げる場合だけです。これを時季変更権といいます。時季変更権を使う場合も、有給休暇を取らせないのではなく、別の日に取らせることになります。

何のために休むかは社員の自由で、会社は目的を理由に取得を断れないと、厚生労働省も説明しています。申請書に理由欄がある会社でも、「私用」と書けば足りる扱いにしておくと、社員が遠慮せずに申請できます。

申請を承認する上司にも、この2点を伝えておきます。上司が理由をしつこく聞いたり、「この日はやめて」と断ったりすると、人事への問い合わせが増えるうえ、社員が申請をためらう原因になります。

3年10日以上付与される社員には、年5日を取らせる義務があります

年10日以上の有給休暇が付与される社員には、付与した日(基準日)から1年以内に5日を取得させる義務が会社にあります。管理監督者や契約社員も対象です。社員が自分で申請して取った日と、計画年休で取った日は、この5日に数えます。前年から繰り越した分を使った日も数えますが、時間単位で取った分は数えません。

5日に届きそうにない社員には、会社が取得日を指定します。指定する前に本人の意見を聞き、できるだけその希望を尊重するよう努めます。すでに5日以上取っている社員には、会社が取得日を指定する必要はなく、指定することもできません。この義務に違反すると30万円以下の罰金の対象です。申請方法を聞いてきた社員の取得日数が少なければ、声をかけるきっかけにもなります。

4計画年休がある会社では、自由に使える日数を伝えます

労使協定で取得日をあらかじめ決める計画年休を導入している会社では、社員の有給休暇の一部が、夏季や年末年始の一斉休業などに充てられます。計画年休に充てられるのは、5日を超える部分だけです。少なくとも5日は、社員が自分で日を決めて使える分として残ります。

申請してから「残りが足りなかった」とならないよう、答えるときは、計画年休に何日充てる予定かを含めて、自由に使える日数を伝えます。

5当日の連絡や休んだ後の申請の扱いは、先に決めておきます

朝になって「熱が出たので、今日を有給にしたい」と連絡が来ることがあります。当日の連絡や休んだ後の申請を有給休暇として扱うかどうかは、会社のルールを確かめて答えます。扱うなら、誰にいつまでに連絡し、何日以内に申請を出せばよいかを社内ルールに書いておきます。

担当者によって答えが変わると、「前は認めてもらえた」という不公平の原因になります。迷いやすい例(連絡のなかった欠勤を後から有給にしたい、など)は答えを1つに決めて社内FAQに載せ、次から同じ答えを返します。

自社の規程で確認すること

会社によって答えが変わる部分です。社員に答える前に確かめてください。

  • 申請に使うシステムや書式
  • 申請の締め切り(何日前までか)と承認者
  • 半日単位で取れるか、時間単位で取れるか(時間単位は労使協定の有無)
  • 計画年休の有無と、充てる日数
  • 当日の連絡や休んだ後の申請を有給休暇として扱うか
  • 基準日(入社日ごとか、4月1日などに全社で統一しているか)

社内FAQに貼れる回答文例

【】の部分を自社の内容に書き換えて使えます。

回答文

Q. 有給休暇はどうやって申請すればいいですか?

A. 【申請システム名】【メニュー名】から申請してください。休みたい日の【何営業日前】までに申請し、【承認者】の承認を受けます。取得の理由は書かなくても申請できます。理由欄には「私用」と書けば足ります。半日単位での取得は【可・不可】、時間単位での取得は【可・不可】です。【計画年休の日】は会社が決めた有給休暇の取得日なので、残りの日数から差し引かれます。体調不良などで当日に休む場合は、【連絡先】【始業時刻】までに連絡し、休んだ日から【何日以内】に申請を出してください。

続けて聞かれやすいこと

答えるときに間違えやすいこと

  • 事業の正常な運営を妨げるかを確かめないまま、申請を断ったり別の日に変えさせたりしないようにします
  • 理由を書かないと申請を受け付けない運用は、目的によって取得を拒むのと同じ結果になります
  • 時間単位で取った有給休暇は、年5日の取得義務の日数に数えません

出典

2026年9月14日時点で内容を確認しています。