経理

会社のクレジットカードを使いたいと言われたら

2026年9月14日に内容を確認

社員からはこう聞かれます

  • 出張が多いので、会社のカードを持たせてもらえませんか?
  • ネットでソフトの利用料を払いたいんですが、会社のカードってありますか?
  • 会社のカードで払ったら、領収書は要らないですよね?

ひと言でいうと

会社のカードを使えるかは、社内で決めた貸与の条件によります。カードで払っても、利用明細とは別に領収書を出してもらうことを最初に伝えます。

社員は、立て替えの負担や精算の手間を減らしたいと考えています。会社のカードで払えば領収書の提出も要らなくなる、と思っていることもあります。

法人カードの貸与から精算までの流れ
  1. 1社員貸与を申請する
  2. 2経理上長の承認を確認しカードを発行する
  3. 3社員カードで支払う
  4. 4社員領収書を経費精算システムに登録する利用明細だけでは提出したことにならない
  5. 5経理領収書と利用明細を照合する

出典:国税庁「インボイス制度 応用編」

答えるときに押さえること

1カードを持てるかは、社内の貸与の条件で決まる

法人カードを誰に持たせるかは、会社が決めることです。持たせ方にはいくつかの形があります。出張の多い部署や役職者に1人1枚ずつ貸与する形、部署に1枚置いて使うときに借りる形があります。ネットのサービスの支払い専用に、経理が管理する形もあります。

問い合わせには、その社員が貸与の対象になるか、申請の方法、発行までにかかる日数を答えます。対象外の社員には、立て替えて精算する方法や、会社が請求書で払う方法を案内します。ソフトの利用料のように毎月続く支払いは、経理が管理するカードで払う方法もあります。個人のカードで払っていると、担当者が異動したときに支払いが止まるおそれがあるためです。

2カードで払っても、利用明細だけでは足りない

国税庁の資料「インボイス制度 応用編(令和8年5月)」は、カードの利用明細書について説明しています。利用明細書は、一般的にインボイスの記載事項を満たす書類に当たりません。そのため、明細の保存だけでは、消費税の仕入税額控除ができません。お店が発行した領収書やレシートを別に保存する必要があります。

社員には「カードで払っても、領収書は提出してください」と最初に伝えます。例外は、インボイスがなくても帳簿のみで控除できる取引です。1回3万円未満の電車・バスの運賃、社員に支給する出張旅費、少額特例の対象になる取引などです。これらは、利用明細をもとに処理しても問題ないとされています。

3ネットの支払いは、領収書データをダウンロードする

ネットのサービスやソフトの利用料をカードで払うと、紙の領収書は届きません。サービスの管理画面から領収書や請求書をダウンロードするか、メールで届くものを保存します。これらは電子帳簿保存法の電子取引のデータなので、印刷ではなく、データのまま保存します。

海外のサービスの領収書は、日本のインボイスの形式になっていないことがあります。消費税の扱いは経理で判断するので、社員にはダウンロードした領収書をそのまま提出してもらいます。毎月の支払いは、誰が領収書をダウンロードするかを決めておかないと、提出が抜けやすくなります。

サービスによっては、領収書がPDFではなく画面にだけ表示されることがあります。国税庁の一問一答では、その画面のスクリーンショットを保存する方法も示されています。よく使うサービスごとに、領収書の取り方を社内の手順書にまとめておくと、担当が替わっても続けられます。

4使ってよい支払いと、使ってはいけない支払いを先に伝える

カードを渡すときに、使ってよい支払いと、使ってはいけない支払いをはっきり伝えます。私的な買い物のほか、現金の引き出し(キャッシング)や、規程で認めていない接待への利用を禁止する会社もあります。1回あたりや月あたりの利用限度額も、貸与のときに伝えます。

誤って私的に使ってしまったときに、どこへ連絡し、どう返金するかも決めておきます。社員が隠さずに申し出られる手順があれば、経理が明細を照合するときに理由のわからない支払いが残りません。

5領収書を出す期限と、返却の手続きを決める

カード払いの精算で経理が困るのは、明細に載っているのに領収書が出てこない支払いです。カード会社の締め日に合わせて、社員が領収書を提出する期限を決めておきます。

社員には、カードで払ったらその日のうちに経費精算システムへ領収書を登録してもらうと、月末にまとめて探す手間がなくなります。退職や異動のときのカードの返却と、そのカードで払っていた毎月の支払いの引き継ぎも、貸与の条件と一緒に決めておきます。

カードを貸与した社員の一覧と、カードごとの利用者を経理で管理しておくと、明細に知らない支払いが載ったときにすぐ本人に確かめられます。カードをなくしたときの連絡先(カード会社と社内の担当者)も、貸与のときに渡しておきます。

自社の規程で確認すること

会社によって答えが変わる部分です。社員に答える前に確かめてください。

  • 法人カードを貸与する対象(役職、部署、出張の頻度など)と申請方法
  • 個人に貸与するか、部署や経理で管理するか
  • 1回あたり・月あたりの利用限度額
  • 使ってよい支払いと、禁止する支払い(キャッシング、私的な利用など)
  • 領収書を提出する期限と方法
  • 私的に使ってしまったときの連絡先と返金方法
  • 退職・異動のときのカードの返却と、毎月の支払いの引き継ぎ

社内FAQに貼れる回答文例

【】の部分を自社の内容に書き換えて使えます。

回答文

Q. 会社のクレジットカードを使いたいのですが、どうすればいいですか?

A. 法人カードは【貸与の対象(出張の多い部署の社員など)】に貸与しています。【申請フォーム名】から申請し、【上長】の承認を受けてください。発行まで【◯週間】ほどかかります。

対象でない方は、立て替えて【経費精算システム名】で精算してください。ネットのサービスの利用料など毎月の支払いは、【経理が管理するカード】で払えるので、【経理担当の連絡先】にご相談ください。

カードで支払ったあとも、領収書の提出は必要です。カードの利用明細は領収書の代わりになりません。支払った日から【◯日以内】に、領収書を【経費精算システム名】に登録してください。私的な支払いやキャッシングには使えません。

続けて聞かれやすいこと

答えるときに間違えやすいこと

  • カードの利用明細があるからと、領収書の提出は不要と案内してしまう
  • ネットのサービスの領収書を誰がダウンロードするか決めず、毎月の提出が抜ける
  • ETCの利用明細だけを保存して、利用証明書を取らない

出典

2026年9月14日時点で内容を確認しています。