パソコンが遅い、固まると言われたら

社員からはこう聞かれます
- パソコンがすごく遅いんですけど、何とかなりませんか?
- Excelを開いたまま固まって、何も押せません
- 急に「ウイルスに感染しました」って画面が出て、音が鳴っています
ひと言でいうと
保存できるファイルを保存してから、一度再起動してください。それでも遅い場合は、いつから、どの操作で遅いかを教えてもらえれば、修理や交換が必要かを判断します。
「遅い」「固まる」の原因は、本体の性能、更新の途中、ソフトの不具合、偽の警告画面など幅があります。社員は「壊れたのでは」「作りかけのファイルが消えるのでは」と心配しています。いつから、何をしているときに遅いのかを聞くと、切り分けが早く進みます。
- 1社員ファイルを保存してから再起動する
- 2社員更新が溜まっていないか確認する
- 3社員負荷の原因をタスクマネージャー等で見る
- 4社員警告画面が出たら電話せず閉じるEscキー長押しで全画面表示を解除する
- 5情シス直らない場合は故障や買い替えを判断する
出典:IPA「偽セキュリティ警告(サポート詐欺)対策特集ページ」
答えるときに押さえること
1いつから、何をしているときに遅いかを聞きます
最初に聞くのは、遅くなった時期ときっかけです。「今朝から急に」なら更新や一時的な不具合を、「半年くらい前からずっと」なら性能不足やディスクの空き容量不足を疑います。
全部の操作が遅いのか、特定のソフトだけかも分けます。Web会議のときだけ遅い、大きなExcelを開いたときだけ固まる、という答えなら、本体よりも使い方やファイルの大きさに原因がありそうです。
同じ時間帯に同じ相談が何人からも来ていれば、1台ずつのパソコンではなく、ネットワークや社内システム側の問題を疑います。
保存していないファイルを開いたまま固まった場合は、すぐに電源を切らず、数分待ってもらいます。処理が終わって動き出すこともあり、強制的に切ると保存していない内容が消えます。
2社員に試してもらう手順は、再起動、更新、負荷の確認の順です
まず、開いているファイルを保存してから再起動してもらいます。何日も電源を切らずにスリープだけで使っていると、それだけで動きが重くなることがあります。「シャットダウン」ではなく「再起動」を選ぶよう伝えます。
次に、更新が溜まっていないかを見てもらいます。Windows は「設定」の「Windows Update」、Mac は「システム設定」の「一般」にある「ソフトウェアアップデート」です。更新の途中で電源を切ると起動しなくなることがあるので、終わるまで待つよう伝えます。
それでも遅ければ、Windows ならタスクマネージャー、Mac ならアクティビティモニタで、何が負荷をかけているかを見ます。ブラウザのタブを大量に開いている、ファイルの同期ソフトが動き続けている、といった原因がここでわかります。ディスクの空きが残り少ないときも重くなるので、不要なダウンロードファイルを整理してもらいます。
3警告画面に電話番号が出ているなら、電話をかけないよう先に伝えます
「ウイルスに感染しました」という画面が出て警告音が鳴り、サポートの電話番号が表示されている場合は、偽のセキュリティ警告(サポート詐欺)を疑います。IPA によると、この画面が表示されただけではウイルスに感染しておらず、画面を閉じれば問題ありません。電話をかけると、遠隔操作ソフトを入れるよう誘導されます。
閉じ方は、キーボードの「Esc」キーを長押しして全画面の表示を解除し、右上に出てくる閉じるボタンを押します。すでに電話をかけてしまった、案内どおりにソフトを入れた、という場合は、そのパソコンを使うのをやめてもらい、管理者に回します。
4故障や買い替えの判断は、管理者や業者に回します
再起動と更新をしても直らない場合は、担当者だけで抱えずに回します。電源を入れるたびに異音がする、画面が真っ暗なまま進まない、同じエラーで何度も止まる、といった症状は本体の故障を疑います。保守契約があればメーカーや販売店に、なければ社内の管理者に相談します。
購入から年数が経っていて、今の業務ソフトに性能が追いついていない場合は、修理より入れ替えの判断になります。その間に代わりのパソコンを貸せるか、データを移す作業を誰がするかも、あわせて決めます。
修理に出す場合は、中のデータの扱いも決めます。業者に渡す前にバックアップを取る、ディスクが暗号化されているか確かめる、といった作業を管理者と進めます。同じ機種で同じ症状が続いているなら、メーカーが不具合の情報や更新を出していないかも調べます。
IPA の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」は、OSやソフトウェアを古いまま放置するとウイルス感染の危険があるとしています。更新が提供されなくなった古いOSのパソコンは、遅さとは別に入れ替えの対象にします。
自社の規程で確認すること
会社によって答えが変わる部分です。社員に答える前に確かめてください。
- パソコンの保守契約の有無と、故障したときの連絡先(メーカー、販売店、社内の管理者)
- 代わりに貸し出せるパソコンがあるか
- 更新を社員が自分で実行してよいか、管理者が一括で配信しているか
- ウイルス感染が疑われるときに、パソコンをネットワークから外すかどうか
社内FAQに貼れる回答文例
【】の部分を自社の内容に書き換えて使えます。
Q. パソコンが遅い、固まるときはどうすればいいですか?
A. 開いているファイルを保存してから、パソコンを再起動してください。「シャットダウン」ではなく「再起動」を選びます。
再起動しても遅い場合は、更新が溜まっていないかを見てください。Windows は「設定」の「Windows Update」、Mac は「システム設定」の「一般」にある「ソフトウェアアップデート」で確認できます。更新中は電源を切らないでください。
「ウイルスに感染しました」という画面と電話番号が出た場合は、電話をかけずに【情シス窓口の連絡先】に連絡してください。
それでも直らないときは、いつから、どの操作で遅いかを添えて【情シス窓口の連絡先】に連絡してください。
続けて聞かれやすいこと
メモリを増やせば速くなりますか?
増設できる機種なら改善することもありますが、薄型のノートパソコンには増設できないものもあります。会社の資産なので、社員が自分で部品を買って付けるのではなく、管理者に相談してもらいます。
偽の警告画面で電話をかけてしまいました
ソフトを入れていなくても、何を話したか、何を操作したかを管理者に報告してもらいます。遠隔操作ソフトを入れた場合や、クレジットカード番号などを伝えた場合は、そのパソコンを使うのをやめ、すぐ管理者に回します。
Web会議のときだけ固まります
カメラとマイクを使うWeb会議は、パソコンに負荷がかかる作業です。ほかのソフトやブラウザのタブを閉じる、背景のぼかしを切る、Wi-Fiが弱ければ電波の届く場所に移る、の順に試してもらいます。
答えるときに間違えやすいこと
- 更新の途中で「固まった」と判断し、電源ボタンの長押しで切らせてしまう
- 偽の警告画面を本物のウイルス感染と受け取り、表示された番号への電話を止めない
- 何人かから同時に来た相談に1台ずつ対応し、ネットワークやシステム側の障害に気づくのが遅れる
- ネットで見つけた「高速化ツール」を入れるよう社員に勧めてしまう