ソフトをインストールしていいか聞かれたら

社員からはこう聞かれます
- 仕事で使いたい無料のソフトがあるんですけど、入れても大丈夫ですか?
- 取引先から指定されたWeb会議のアプリを入れたいです
- ブラウザの拡張機能って、自分で追加していいんですか?
ひと言でいうと
会社で許可しているソフトかどうかを確かめてから入れてください。許可の一覧にないものは、ソフト名と使いたい理由を添えて申請してもらい、管理者が判断します。
ソフトを入れたいという相談は、仕事を早く進めたいという前向きな理由から来ます。一方で、許可のないソフトはウイルス感染や情報の持ち出しにつながり、ライセンス違反の心配もあります。禁止だと伝えるだけでなく、申請すれば使えるのか、代わりに使えるものがあるのかまで答えます。
- はい社内での入れ方に沿って入れてもらう
- いいえソフト名・入手先・理由を添えて申請してもらう
答えるときに押さえること
1まず、会社がそのソフトを許可しているかを確かめます
許可済みソフトの一覧があれば、そこに載っているかを見ます。載っていれば、社内での入れ方(配布用のページや、管理者による一括配布など)を案内します。
一覧がない会社は、この相談をきっかけに作り始めると、次から同じ質問に答えやすくなります。最初は、会社で契約しているソフトと、申請がよく来るソフトを並べるだけで足ります。
あわせて、何のために使いたいのかを聞きます。PDFを編集したい、画像を小さくしたい、といった目的なら、新しいソフトは要らないかもしれません。Microsoft 365 や Google Workspace など、契約済みのサービスの機能で済むこともあります。
2一覧にないソフトは、中身と入手先を聞いてから判断します
一覧にないソフトは、ソフト名、入手先のURL、使いたい理由、使う人数を申請してもらいます。判断するときは主に次の点を見ます。
・提供元がはっきりしていて、今も更新が続いているか ・会社のファイルや顧客の情報を、外部のサーバーに送る仕組みがないか ・無料なのは個人で使う場合だけで、会社で使うと有料にならないか
IPA の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」は、OSやソフトウェアを古いまま放置する危険を指摘しています。セキュリティ上の問題点が解決されず、それを悪用したウイルスに感染するおそれがあるためです。更新が止まったソフトは、便利でも入れない判断になります。
3取引先が指定するアプリや拡張機能も、同じ手順で扱います
取引先から指定されたWeb会議のアプリは、パソコンに入れなくてもブラウザから参加できる場合があります。まずブラウザで参加できるか試してもらい、できなければ申請してもらいます。アプリを入れる場合も、メールで届いたリンクからではなく、提供元の公式サイトやアプリストアから入手してもらいます。
ブラウザの拡張機能は、ソフトほど意識されずに追加されがちです。表示しているページの内容を読み取れるものもあるので、会社のパソコンでは申請の対象に含めます。
「パソコンを高速化する」「ウイルスを駆除する」とうたう画面からソフトを入れようとしている場合は、偽の警告画面から誘導されていないかを聞きます。IPA は、偽の警告画面から電話をかけさせ、遠隔操作ソフトを入れさせる手口に注意を呼びかけています。
4すでに入れてしまった場合も、責めずに報告してもらいます
許可のないソフトを入れていたと、後からわかることもあります。怒られると思うと社員は黙ってしまうので、正直に言ってもらえる受け答えにします。
ソフト名、入れた日、入手先を聞き、問題がないかを確かめます。入手先がわからない、入れてから動きがおかしい、見覚えのない画面が出る、という場合はウイルス感染を疑い、管理者に回します。問題のないソフトなら、正式に申請してもらって一覧に加えます。社員が自分で消した場合も、何を入れていたかは報告してもらいます。
5許可したソフトは記録して、決まった時期に見直します
許可したソフトは、ソフト名、許可した日、使う人、ライセンスの種類と期限を記録します。記録がないと、有料ソフトの契約の更新を忘れたり、退職者の分のライセンス料を払い続けたりします。
一覧は社員が見られる場所に置きます。同じソフトの申請が来るたびに一から調べずに済み、社員も申請の前に自分で確かめられます。
同ガイドラインでも、ソフトウェアに修正プログラムを適用するか、最新版を使うよう求めています。許可済みのソフトも、更新が続いているかを年に1回など時期を決めて見直します。
自社の規程で確認すること
会社によって答えが変わる部分です。社員に答える前に確かめてください。
- 許可済みソフトの一覧の置き場所
- ソフトの利用を申請する方法と、承認する人
- 社員が自分でソフトを入れられる権限があるか
- ブラウザの拡張機能を申請の対象にしているか
- 有料ソフトの費用をどの部署の予算で払うか
社内FAQに貼れる回答文例
【】の部分を自社の内容に書き換えて使えます。
Q. 会社のパソコンにソフトを入れてもいいですか?
A. 会社のパソコンに入れられるのは、【許可済みソフト一覧の場所】に載っているソフトだけです。一覧にあるソフトは、【社内での入れ方】から入れてください。
一覧にないソフトやブラウザの拡張機能を使いたい場合は、【申請フォーム名】から申請してください。ソフト名、入手先のURL、使いたい理由を書いてください。【情シス担当】が確かめて、【5営業日】を目安に回答します。
取引先から指定されたWeb会議のアプリは、まずブラウザから参加できるか試してください。
許可のないソフトをすでに入れてしまった場合も、【情シス窓口の連絡先】に連絡してください。
続けて聞かれやすいこと
無料のソフトなら入れても問題ないですか?
無料かどうかと、安全か、会社で使ってよいかは別の話です。個人で使う場合だけ無料で、会社で使うと有料になるソフトもあります。無料のソフトも申請の対象にします。
私物のパソコンで作業するなら、何を入れてもいいですか?
私物のパソコンで会社の仕事をしてよいかどうかは、会社のルールで決まっています。認めていない会社では、ソフトの話の前に、私物のパソコンで会社のデータを扱えません。
ソフトの更新の通知が出ました。更新していいですか?
許可済みのソフトの正規の更新なら、更新してもらいます。ただし管理者が更新を一括で配信している会社では、個別に更新しないよう決めている場合もあるので、社内のルールに合わせて答えます。
答えるときに間違えやすいこと
- 「無料だから」「有名だから」と、提供元や利用規約を見ずに許可してしまう
- ブラウザの拡張機能を申請の対象から外し、ページの内容を読み取るものが入ったままになる
- 無断で入れた社員を強く叱り、次から報告されなくなる
- 偽の警告画面から誘導されたソフトを、社員が自分で選んだソフトと同じ扱いで確認してしまう