経理

取引先から届いた請求書をどこに出すか聞かれたら

2026年9月14日に内容を確認

社員からはこう聞かれます

  • 取引先から請求書がメールで届いたんですが、どこに送ればいいですか?
  • 紙の請求書が郵送で来ました。経理に持っていけばいいですか?
  • 請求書の支払期限が近いんですが、いつまでに出せば間に合いますか?

ひと言でいうと

社内で決めた受け付け窓口に、発注した部署の承認をつけて出してもらいます。メールで届いたPDFは、印刷せずにデータのまま転送してもらいます。

社員は、自分宛てに届いた請求書をどこへ回せば支払いまで進むのかがわからずに困っています。期限までに払われないと取引先に迷惑がかかる、という焦りもあります。

取引先の請求書を提出してから支払うまでの流れ
  1. 1社員請求書を受け取るメールのPDFは印刷せずデータのまま扱う
  2. 2社員発注内容と金額を確認する
  3. 3社員上長の承認を受けて提出する
  4. 4経理インボイスの記載事項を確認する
  5. 5経理締め日に合わせて支払う

答えるときに押さえること

1出し先と、発注した部署の確認をセットで案内する

取引先からの請求書は、支払う前に「本当に発注したものか」「金額が合っているか」を、発注した部署が確かめる必要があります。そのため、受け取った社員が内容を確認して承認をつけ、経理に回す流れにします。

社員への返事では、出し先と、誰の承認が要るかを一緒に伝えます。出し先は、経理の共有メールアドレス、請求書の受け取り用のシステム、経費精算システムなど会社によって違います。発注書や見積書と照らし合わせて金額を確かめる手順があるなら、それも伝えます。取引先に請求書の送り先を経理の共有メールアドレスに変えてもらえば、社員を経由する手間そのものを減らせます。

2メールで届いた請求書は、データのまま保存する

メールに添付されたPDFの請求書や、取引先のサイトからダウンロードした請求書は、電子帳簿保存法の「電子取引」のデータに当たります。法人税の保存義務がある会社は、紙に印刷して保存するのではなく、データのまま保存しなければなりません。

保存にあたっては、改ざんを防ぐ措置を1つ取ります。タイムスタンプを付ける、訂正や削除の履歴が残るシステムに保存する、訂正削除の防止に関する事務処理規程を定めて運用する、などです。あわせて、日付・金額・取引先で検索できる状態にしておきます。

社員には「印刷して持ってくる」のではなく、決まった宛先にPDFを転送してもらうよう案内します。データを要件どおり保存していれば、経理が作業のために印刷して紙の書類と一緒に綴じておくことは問題ありません。

3紙で届いた請求書は、紙のまま保存するかスキャナ保存する

郵送で届いた紙の請求書は、原則として紙のまま保存します。会社がスキャナ保存の要件を満たした運用をしている場合は、読み取った画像で保存し、紙を処分することもできます。

スキャナ保存には、200dpi以上・カラーでの読み取りや、決められた期間内の入力などの要件があります。請求書は、受け取ってからおおむね7営業日以内に入力するのが基本です。事務処理規程を定めていれば、最長2か月の業務サイクルが過ぎたあと、おおむね7営業日以内の入力でも認められます。

社員が紙の請求書を机の上に置いたままにすると、この期限を過ぎることがあります。期限を過ぎたものは紙で保存しなければならないので、紙で届いたらその日のうちに窓口へ回してもらいます。

4インボイスの記載事項がそろっているかを確かめる

請求書が消費税の仕入税額控除に使えるかは、インボイスの記載事項がそろっているかで決まります。記載事項は次の6つです。発行者の名称と登録番号、取引年月日、取引内容(軽減税率の対象ならその旨)の3つがまず必要です。残りは、税率ごとに合計した対価の額と適用税率、税率ごとの消費税額等、受け取る側の名称です。

この確認を社員にしてもらうか、経理でまとめて行うかは会社ごとに決めます。登録番号は、国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で番号を入力すると登録の状況を確かめられます。登録番号の記載がない請求書が届いたら、取引先に確認するか、経理に相談してもらいます。

5支払期限と社内の締め日の関係を伝える

「支払期限に間に合うか」という質問には、社内の締め日と支払日で答えます。たとえば「月末締め、翌月末払い」の会社で、請求書の提出が締め日に間に合わないと、支払いが1か月遅れることがあります。

請求書の支払期限が、社内の支払いサイクルより早い場合の対応も決めておきます。臨時の振込ができるか、その場合は何営業日前までに申請が必要か、といった点です。取引先の支払期限を社内のサイクルに合わせてもらうには、請求書が届いてからではなく、発注や契約の段階で相談してもらいます。

自社の規程で確認すること

会社によって答えが変わる部分です。社員に答える前に確かめてください。

  • 請求書の受け付け窓口(共有メールアドレス、受け取り用のシステムなど)
  • 請求書の内容を確認・承認する人(発注した部署、上長など)
  • 請求書の提出の締め日と支払日
  • 支払期限が社内の支払いのサイクルより早い場合の対応
  • インボイスの記載事項を確認するのは社員か経理か
  • 紙の請求書をスキャナ保存しているか、紙のまま保存しているか

社内FAQに貼れる回答文例

【】の部分を自社の内容に書き換えて使えます。

回答文

Q. 取引先から届いた請求書は、どこに出せばいいですか?

A. 請求書は【請求書の受け付け窓口(システム名や共有メールアドレス)】に提出してください。提出する前に、発注した内容と金額が合っているかを確認し、【部署の上長】の承認を受けてください。

メールで届いたPDFの請求書は、印刷せずにデータのまま【転送先】へ送ってください。紙で届いた請求書は、届いた日のうちに【提出場所(経理の受け付けボックスなど)】に入れてください。

【毎月◯日】までに提出された請求書は、【翌月◯日】に支払います。支払期限がそれより早い場合は、【◯営業日前】までに【経理担当の連絡先】へご連絡ください。

続けて聞かれやすいこと

答えるときに間違えやすいこと

  • メールで届いたPDFの請求書を印刷し、データを消してしまう
  • 紙の請求書を社員の机に置いたままにして、スキャナ保存の入力期限を過ぎる
  • 社内の締め日を伝えず、取引先への支払いが1か月遅れる

出典

2026年9月14日時点で内容を確認しています。