総務

自転車やバイクで通勤してよいか聞かれたら

2026年9月26日に内容を確認

社員からはこう聞かれます

  • 駅まで歩くと遠いので、自転車で通勤していいですか?
  • 原付で通勤したいんですが、通勤手当は出ますか?
  • 電動アシスト自転車を買いました。届け出は必要ですか?

ひと言でいうと

自転車やバイクで通勤してよいかは法律で決まっておらず、会社が規程で決めます。自転車などの交通用具で通勤する人の通勤手当は、片道2キロメートル以上なら距離に応じた額まで非課税で、2キロメートル未満は全額が課税されます。【通勤方法の届け出】を出してもらってから、許可するかを伝えてください。

自転車やバイクの通勤を認めるかどうかは、会社が規程で決めます。社員が本当に気にしているのは、通勤手当が出るか、通勤の途中でけがをしたときに労災になるかです。2026年4月から自転車の交通違反に青切符が交付されるようになったので、この機会に通勤のルールを社員に伝え直すこともできます。

自転車とバイクで、確かめることの違い
自転車原動機付自転車バイク
運転免許不要必要
ナンバープレート不要必要
保険自賠責は不要。条例で加入義務の自治体あり自賠責が必要。任意保険も確認する
ヘルメット努力義務義務
歩道の通行一定の場合にできるできない

出典:警察庁「自転車を安全・安心に利用するために」

答えるときに押さえること

1認めるかどうかは会社が決める。まず届け出を出してもらう

自転車やバイクで通勤してよいかを決めている法律はありません。認めている会社でも、通勤方法の届け出を出させ、通勤経路と片道の距離、駐輪場の使い方、保険の加入を確かめてから許可する形が多いです。

聞かれたら、まず認めているかどうかを答えます。認めている場合は、届け出の書式と提出先、許可が下りるまでの日数を伝えます。認めていない場合は、それだけで終わらせず、雨や雪の日の扱いや、定期券の区間をどこからにするかまで答えておくと、同じ質問が続きません。

2通勤手当が非課税になるかは、片道2キロメートルが境目

国税庁によると、自転車やマイカーなどの交通用具で通勤する人の通勤手当は、片道の通勤距離に応じて1か月あたりの非課税の限度額が決まっています。片道2キロメートル未満は全額が課税されます。2キロメートル以上10キロメートル未満は4,200円、10キロメートル以上15キロメートル未満は7,300円、15キロメートル以上25キロメートル未満は13,500円です(2026年4月1日現在の法令)。

駐車場や駐輪場を使う人は、片道2キロメートル以上であれば、この金額に1か月の駐車場等の料金相当額(上限5,000円)を足した額まで非課税になります。距離は通勤経路に沿った長さで測るので、届け出の書式に経路と片道の距離を書く欄を用意しておきます。

非課税の限度額を超えて払った分は、給与として課税されます。また、通勤手当は非課税の分も含めて、健康保険と厚生年金保険の標準報酬月額の対象になる報酬に入ります。

3通勤途中のけがは、合理的な経路と方法なら通勤災害になる

労働者災害補償保険法第7条は、通勤を「就業に関し、住居と就業の場所との間の往復などを、合理的な経路及び方法により行うこと」と定めています。自転車やバイクで通っていても、この条件に当てはまれば通勤災害として扱います。

経路を外れたり移動を中断したりした間と、その後の移動は通勤になりません。ただし、日常生活上必要な行為を、やむを得ない事由で最小限度に行った場合は、外れた間や中断した間を除いて通勤として扱われます。保育園への送りや帰りの買い物で寄ったときは、この考え方で判断します。

4保険は、自転車とバイクで確かめることが違う

自転車は、運転免許もナンバープレートも自動車損害賠償責任保険も要りません。そのかわり、自転車損害賠償責任保険等への加入を条例で義務づけている自治体があります。国土交通省によると、2024年4月1日現在、34都府県が条例で加入を義務化し、10道県が努力義務としています。会社の所在地と社員の住まいの両方の条例を見て、届け出のときに加入を確かめます。

原動機付自転車は、運転免許とナンバープレートと自動車損害賠償責任保険が必要で、ヘルメットの着用も義務です。届け出では、免許の種類、ナンバー、任意保険の加入と対人・対物の補償額を確認します。

52026年4月から、自転車の違反に青切符が交付される

道路交通法の一部を改正する法律(令和6年法律第34号)が2026年4月1日から施行されました。16歳以上の人が自転車で反則行為をして検挙されると、青切符が交付されて反則金を納めることになりました。警察庁は、違反を見つけたときは現場での指導警告が基本で、危険性や迷惑性が高い悪質な違反は検挙の対象になるとしています。

ヘルメットの着用は、道路交通法第63条の11で「かぶるよう努めなければならない」と定められた努力義務です。着用しなくても反則金の対象にはなりませんが、警察庁は頭部を守るために着用するよう求めています。

自転車通勤を認めるときは、届け出の案内に自転車安全利用五則(車道が原則で左側を通行し歩道は例外、交差点では信号と一時停止を守って安全確認、夜間はライトを点灯、飲酒運転は禁止、ヘルメットを着用)を載せておきます。

自社の規程で確認すること

会社によって答えが変わる部分です。社員に答える前に確かめてください。

  • 自転車とバイクの通勤を認めるかと、認める条件
  • 通勤方法の届け出の書式、提出先、許可が下りるまでの日数
  • 駐輪場や駐車場の場所と、料金を会社が負担するか
  • 通勤手当の支給基準(距離の測り方と支給する上限額)
  • 自転車損害賠償責任保険や任意保険への加入を許可の条件にするか
  • ヘルメットの着用を求めるか、費用を会社が出すか
  • 雨や雪の日に電車やバスを使ったときの精算方法

社内FAQに貼れる回答文例

【】の部分を自社の内容に書き換えて使えます。

回答文

Q. 自転車やバイクで通勤してもいいですか?

A. 自転車とバイクの通勤は【認めている範囲】です。使いたいときは【通勤方法の届け出の書式】に通勤経路と片道の距離を書いて、【提出先】に出してください。許可が下りるまで【日数】かかります。

駐輪場と駐車場は【使える場所】を使ってください。料金は【駐輪場代の扱い】です。

通勤手当は、届け出た経路の片道の距離で計算します。片道2キロメートル未満のときの扱いは【2キロメートル未満の扱い】です。

自転車で通う人は【自転車の保険の扱い】、バイクで通う人は【任意保険の扱い】を確認します。ヘルメットは【ヘルメットの扱い】です。

雨や雪で電車やバスを使った日は【悪天候のときの精算方法】で精算してください。通勤の途中でけがをしたときは、病院に通勤中のけがだと伝えて、【労災の窓口】に連絡してください。

続けて聞かれやすいこと

答えるときに間違えやすいこと

  • 会社に届け出ていない通勤方法だから通勤災害にならない、と即断してしまう。労災保険法が求めているのは、合理的な経路と方法で移動していることです
  • 片道2キロメートル未満でも通勤手当を非課税で出せると思い込む。この距離では全額が課税されます
  • 通勤手当は非課税だから社会保険には関係ないと答えてしまう。標準報酬月額の対象になる報酬に含まれます
  • 自転車は保険が要らないと答えてしまう。自転車損害賠償責任保険等への加入を条例で義務づけている自治体があります
  • 電動アシスト自転車とペダル付き電動バイクを同じものとして扱ってしまう。基準を満たさないものは一般原動機付自転車等に当たり、免許とヘルメットが必要です

出典

2026年9月26日時点で内容を確認しています。