人事・労務

通勤経路が変わったときの手続きを聞かれたら

2026年9月14日に内容を確認

社員からはこう聞かれます

  • 引っ越したので、通勤手当を変えたいです
  • 定期券はいつ買い直せばいいですか?前の定期はどうなりますか?
  • 電車から車通勤に変えてもいいですか?

ひと言でいうと

【申請システム名】で、新しい経路と経路が変わる日を申請してください。承認されたら【支給のタイミング】から新しい通勤手当を支給します。前の定期券は【払い戻しの扱い】に沿って精算します。

経路が変わった社員は、定期券をいつ買い直すか、前の定期券の払い戻しや差額がどうなるかを気にしています。通勤手当には会社の規程で決まる部分と、税金や社会保険のルールで決まる部分があるので、分けて確かめてから答えます。

通勤経路が変わったときの手続きの流れ
  1. 1社員新しい経路と定期代を申請する
  2. 2会社申請を確認し承認する
  3. 3会社新しい通勤手当の支給を始める
  4. 4会社標準報酬月額の随時改定を確認する

出典:日本年金機構「随時改定(月額変更届)」

答えるときに押さえること

1支給額と経路の決め方は、会社の規程で答えます

通勤手当は、会社の賃金規程などで支給の条件と金額を決めている手当です。定期券を会社が買って現物で渡す場合も、税金の扱いは現金の通勤手当と同じです。答える前に、次の項目を規程で確かめます。支給の対象になる経路の基準(最も安い経路か、最も早い経路か)、定期券の期間(1か月か6か月か)、上限額、変更の申請期限、前の定期券の払い戻しの扱いです。

経路が変わってから時間がたって申請する社員もいます。変わった日と申請した日がずれたときに差額をどう精算するかも、規程に書いておくと毎回迷いません。住所変更の届出と一緒に出してもらう形にすると、申請漏れも減ります。申請には、経路がわかる乗換案内の画面の写しなどを添えてもらいます。

2電車やバスの通勤手当は、1か月15万円までが非課税です

電車やバスだけで通勤する社員の通勤手当は、最も経済的かつ合理的な経路と方法で通勤した場合の定期代などが非課税で、上限は1か月15万円です。新幹線や特急の料金も、その経路が最も経済的かつ合理的なら非課税の通勤手当に含まれますが、グリーン料金は含まれません。

限度額を超えて支給した分は給与として課税し、支給した月の給与に上乗せして源泉徴収します。遠くへ引っ越して定期代が大きく上がった社員は、会社の上限額と非課税の上限の両方を確かめます。パートやアルバイトなど短い期間だけ雇う社員も、非課税の限度額は月単位で計算します。

3車や自転車の通勤は、片道の距離で非課税の上限が決まります

マイカーや自転車で通勤する社員は、片道の通勤距離に応じて1か月の非課税限度額が決まります。2026年9月時点の国税庁の案内では、片道2キロメートル未満は全額課税です。2キロメートル以上10キロメートル未満は4,200円、10キロメートル以上15キロメートル未満は7,300円で、距離が長いほど上がり、95キロメートル以上は66,400円です。

通勤距離は、通勤経路に沿った長さで測ります。勤務先や利用する駅の周辺の駐車場を使う場合は、駐車場代に当たる額を1か月5,000円まで加えられます。この限度額は2025年11月の所得税法施行令の改正で引き上げられ、その後も見直しがありました。古い一覧表ではなく、国税庁のタックスアンサーの最新の金額で確かめます。

4電車と車を組み合わせる場合や、有料道路を使う場合

駅まで車や自転車で行き、そこから電車に乗る社員は、電車の定期代と、車や自転車の距離に応じた限度額の合計が非課税です。この場合も上限は1か月15万円です。

有料道路を使って車で通勤する社員は、最も経済的かつ合理的な経路での1か月の料金と、距離に応じた限度額の合計が非課税で、上限は同じく1か月15万円です。車通勤への変更の相談を受けたら、会社が車通勤を認めているか、片道の距離、駐車場の有無と場所、有料道路を使うかを聞いてから、支給額を計算します。

5通勤手当の額が変わると、社会保険料が変わることがあります

通勤手当は、健康保険と厚生年金保険の保険料を決める報酬に含まれます。税金で非課税になる分も、社会保険では報酬として数えます。

経路が変わって通勤手当の額が変わると、固定的賃金の変動にあたります。変わった月から3か月の報酬の平均で出した標準報酬月額が、それまでと2等級以上違えば、随時改定の対象です。3か月とも支払基礎日数が17日以上あることも条件で、当てはまれば会社は月額変更届を出します。定期代が大きく変わる社員の申請を受けたら、給与の担当者に伝えます。なお、産前産後休業などで通勤しない月に通勤手当を支給しないだけで、手当そのものを廃止していなければ、随時改定の対象にはなりません。

自社の規程で確認すること

会社によって答えが変わる部分です。社員に答える前に確かめてください。

  • 支給の対象になる経路の基準(最も安い経路など)と上限額
  • 定期券の支給期間(1か月、3か月、6か月)と支給のタイミング
  • 経路変更の申請期限と、変わった日と申請日がずれたときの精算方法
  • 前の定期券の払い戻しの扱い
  • マイカーや自転車での通勤を認めるか、認める場合の距離の測り方、駐車場代や有料道路の料金の扱い

社内FAQに貼れる回答文例

【】の部分を自社の内容に書き換えて使えます。

回答文

Q. 引っ越しなどで通勤経路が変わったときは、どうすればいいですか?

A. 【申請システム名】【通勤経路の申請画面】から、新しい経路、定期代、経路が変わる日を入力して申請してください。申請は【申請期限】までに出してください。承認されると、【支給のタイミング】から新しい通勤手当を支給します。前の定期券は【払い戻しの扱い】に沿って精算します。支給の対象になるのは【経路の基準】で、1か月の上限は【上限額】です。車や自転車での通勤に変えたい場合は、事前に【承認者】の許可を受けてください。引っ越した場合は、住所の変更も【住所変更の届出方法】で届け出てください。

続けて聞かれやすいこと

答えるときに間違えやすいこと

  • 非課税の上限を超えた通勤手当を、全額非課税のまま扱わないようにします
  • 通勤手当は税金では非課税でも、社会保険料を決める報酬には含まれます
  • マイカー通勤の非課税限度額は見直しがあったので、古い一覧表で答えないようにします

出典

2026年9月14日時点で内容を確認しています。