情シス

在宅勤務で社内のシステムに入れないと言われたら

2026年9月14日に内容を確認

社員からはこう聞かれます

  • 今日は在宅なんですが、社内のシステムに入れません
  • VPNにつなごうとすると、エラーが出ます
  • 家からだと共有フォルダが見えないんですけど

ひと言でいうと

まず、会社と関係のないWebサイトが開けるかを確かめてください。開けるならVPNの接続かログインの問題なので、表示されたエラーの画面を送ってもらえれば、原因を切り分けます。

在宅勤務の日に社内のシステムに入れないと、その日の仕事が止まります。原因は、自宅のネットワーク、社外から社内に入る仕組み(VPNなど)、ログインの認証、社内システム側の障害に分けて考えます。この順に確かめていくと、電話やチャットのやりとりだけで直せる相談も少なくありません。

在宅勤務で社内システムに入れないときの対処の流れ
  1. 1社員関係のないサイトが開けるか確認する
  2. 2社員接続ソフトを終了し起動し直す
  3. 3社員パソコンを再起動する
  4. 4社員エラー画面を撮影して連絡する
  5. 5情シスパスワードや機器の状態を確認する

答えるときに押さえること

1インターネット自体につながっているかを最初に確かめます

社員に、会社と関係のない普通のWebサイトを開いてもらいます。開けなければ、自宅のWi-Fiや回線の問題です。ルーターの電源を入れ直す、会社が認めていればスマホのテザリングで試す、といった手順に移ります。

開けるけれど遅い、という場合は自宅の回線が混んでいるだけのこともあります。家族が動画を見ている時間帯だけつながりにくいなら、ルーターの近くに移る、有線でつなぐ、といった方法を案内します。

普通のサイトは開けるのに社内のシステムだけ入れない場合は、社外から社内に入る仕組みかログインの問題です。ここからはエラーの画面が手がかりになるので、画面の写真かスクリーンショットを送ってもらいます。

同じ時間帯に何人かから同じ相談が来ていれば、個人の環境ではなく、VPNの機器や社内システム側の障害を疑います。

2会社の接続方法によって、確かめる場所が変わります

社外から社内のシステムに入る方法は会社によって違います。総務省のテレワークセキュリティガイドラインは、方式を7種類に分けて解説しています。社内の問い合わせでよく出てくるのは次の3つです。

・パソコンに入れた接続ソフトで、社内のネットワークにつなぐ(VPN) ・会社にあるパソコンの画面を、自宅から操作する(リモートデスクトップ) ・Microsoft 365 や Google Workspace などのクラウドサービスに、直接ログインする

VPNなら、接続ソフトが「接続済み」になっているかを見てもらいます。つながらなければソフトを終了して起動し直し、それでもだめならパソコンを再起動します。リモートデスクトップなら、接続先の会社のパソコンの電源が切れていないか、スリープになっていないかを確かめます。

クラウドサービスだけで仕事をしている会社なら、VPNは要りません。社員が古い手順書を見て、今は使っていない接続ソフトを探していることもあります。

3ログインで止まる場合は、パスワードと多要素認証を疑います

「認証に失敗しました」と出る場合は、入力ミスか、パスワードを変えた後に古いパスワードを入れている可能性があります。会社によっては、パソコンのログインとVPNで別のパスワードを使っています。パソコンの時計が大きくずれていて、認証に失敗することもあります。

スマホの認証アプリに確認の通知が届かない、機種変更して認証アプリが使えない、という場合は、認証方法の登録をやり直す必要があり、管理者の作業です。

逆に、身に覚えのない承認の通知が何度も届いているなら、誰かがその社員のパスワードで入ろうとしているおそれがあります。承認しないよう伝え、パスワードの変更と管理者への報告を進めます。

4機器の障害や設定の変更は、管理者か保守業者に回します

何人も同時につながらない、VPNの機器にエラーが出ている、という場合は、管理者か機器の保守業者に連絡します。

パスワードの変更、多要素認証の登録し直し、VPNのアカウントの発行も管理者の作業です。担当者に権限がなければ、社員から聞き取った内容をまとめて渡します。氏名、使っている端末、エラーの画面、起きた時刻がそろっていれば、管理者はすぐ作業に入れます。復旧を待つ間、クラウドのメールやチャットだけで進められる仕事がないかは、社員に上長と相談してもらいます。

VPNの機器は、ソフトウェアの更新を放置すると攻撃の入口になります。総務省のテレワークセキュリティガイドラインは、2020年に起きた事例を紹介しています。既知の脆弱性を放置したVPN機器が攻撃を受け、日本でも40社近くが不正アクセスを受けたというものです。「つながらない」という相談の件数と内容を記録しておくと、機器の更新や障害に早く気づく材料になります。

自社の規程で確認すること

会社によって答えが変わる部分です。社員に答える前に確かめてください。

  • 社外から社内のシステムに入る方法(VPN、リモートデスクトップ、クラウドサービスなど)と、接続ソフトの名前
  • VPNのIDやパスワードが、パソコンのログインやメールと同じか別か
  • VPNの機器やリモートアクセスの仕組みの保守業者
  • 在宅勤務で私物のパソコンやスマホのテザリングを使ってよいか
  • 接続手順書の置き場所と、最後に更新した日

社内FAQに貼れる回答文例

【】の部分を自社の内容に書き換えて使えます。

回答文

Q. 在宅勤務で社内のシステムに入れないときは、どうすればいいですか?

A. 次の順番で確かめてください。

1. 会社と関係のないWebサイトが開けるか確認する(開けなければ、自宅のWi-Fiルーターの電源を入れ直してください)

2. 【接続ソフト名】が「接続済み」になっているか確認する(なっていなければ、終了してから起動し直してください)

3. パソコンを再起動する

それでも入れない場合は、表示されたエラーの画面を撮影して【情シス窓口の連絡先】に送ってください。

スマホに身に覚えのない承認の通知が届いた場合は、承認せずにすぐ連絡してください。

接続の手順は【手順書の場所】にあります。

続けて聞かれやすいこと

答えるときに間違えやすいこと

  • インターネット自体につながっているかを確かめずに、VPNの設定を調べ始める
  • 何人かから同時に来た相談に1件ずつ対応し、VPNの機器や社内システムの障害に気づくのが遅れる
  • 身に覚えのない承認の通知を「誤作動」と片付け、不正ログインの試みを見逃す
  • 古い手順書が残っていて、今は使っていない接続ソフトを案内してしまう

出典

2026年9月14日時点で内容を確認しています。