オンライン会議で音が聞こえないと言われたら

社員からはこう聞かれます
- 会議に入ったんですが、相手の声がまったく聞こえません
- 私の声、届いていますか? さっきから反応がなくて
- 昨日まで普通に使えていたのに、今日だけ音が出ません
ひと言でいうと
オンライン会議で音が聞こえないときは、全員の声が聞こえないのか特定の人の声だけかを先に聞きます。それだけで、原因が受け取る側の機器か、話している側のマイクかに絞れます。会議中で時間がないので、【情シスの窓口】に電話か別のチャットで連絡してもらい、画面を見ながら1つずつ確かめます。
この相談は、会議が始まったあとに来ます。社員は会議に参加できないまま待たされていて、落ち着いて手順を試す余裕がありません。知りたいのは原因の説明ではなく、いま会議に戻る方法です。まず、聞こえないのが誰の声かを聞き出すと、確かめる場所が半分に絞れます。
- はい会議以外の音(動画など)は聞こえるか
- はい会議アプリでスピーカーに使う機器を選び直してもらう
- いいえパソコンのサウンド設定と機器の接続を確認してもらう
- はい
- いいえ自分の声が相手に届いていないか
- はいマイクのミュートと、アプリへのマイクの許可を確認してもらう
- いいえ聞こえない相手にミュートの解除と機器の確認を頼んでもらう
- はい
答えるときに押さえること
1最初に、聞こえないのが誰の声かを聞きます
「音が出ない」という言葉には、3つの違う状態が混ざっています。参加者全員の声が聞こえない場合は、相談してきた社員のスピーカー側に原因があります。特定の人の声だけが聞こえない場合は、その話している人のマイク側です。「自分の声が届いていないと言われた」なら、相談してきた社員のマイク側になります。
Google Meet のヘルプは、誰かが話したときに動画のタイルの右上に青い印が点灯するかどうかで見分ける方法を挙げています。他の参加者のタイルで点灯しないなら、その人のマイクか自分のスピーカーの問題です。自分のタイルで点灯しないなら、自分のマイクか相手のスピーカーの問題です。
どれに当たるかを聞くだけで、次に見る場所が決まります。切り分けないまま再起動を案内すると、会議に戻るまでの時間だけが延びます。
2全員の声が聞こえないときは、音の出口を確かめます
まず、会議のアプリとは関係のない音が出るかを試してもらいます。パソコンで動画を再生して音が出るなら、パソコン全体ではなく会議のアプリの設定に原因があります。音が出ないなら、パソコンのサウンド設定か、機器のつなぎ方の問題です。
Microsoft Teams の会議中は、マイクの横にあるドロップダウンの矢印から「その他のアクション」「オーディオ設定」と進みます。そこで、スピーカーに使う機器が選ばれていて、ミュートが解除されているかを確認します。会議の前なら、設定の「デバイス」から「テスト通話を行う」で試せます。
Google Meet のヘルプは、正しいスピーカーが選ばれているか、モニターが音の出力先になっていないか、Bluetooth の機器が別の端末につながっていないかを、確認項目として挙げています。ヘッドセットを挿し直した直後は、出力先が元に戻っていることがよくあります。
3声が届かないときは、ミュートと機器の許可を見ます
確かめる順番は、手前から奥へです。まず会議の画面で、マイクの印に斜線が入っていないかを見ます。次に、ヘッドセットのマイク部分が跳ね上がってミュートの位置になっていないかを確かめます。外付けのマイクを使っているなら、本体の物理的なミュートのボタンも見てもらいます。Microsoft のヘルプは、この3つを別々の項目として挙げています。
それでも届かない場合は、パソコンがアプリにマイクを使わせているかを見ます。Windows なら設定のプライバシーからマイクの項目を開き、この端末のマイクへのアクセス、アプリからのアクセス、デスクトップアプリからのアクセスの3つがオンになっているかを確認します。LINE WORKS のヘルプは、PC版で「使用できるマイク/スピーカーがありません」と出たときの確認先として、この3つを挙げています。あわせて、セキュリティソフトが機器の利用を止めていないかも見るよう案内しています。
ブラウザで Google Meet を使っている場合は、アドレスバーのサイト情報のアイコンからマイクをオンにします。初回の参加時に許可を求められたとき、間違えて拒否したまま気づいていない社員がいます。
4会社の設定が原因で、そもそも通話できないこともあります
社員の操作では直せない種類の原因もあります。LINE WORKS のヘルプは、プロキシサーバーを経由して利用している場合は音声通話もビデオ通話も使えないと書いています。また、管理者が音声・ビデオ通話と画面共有を制限していると、通話のアイコン自体が表示されません。トークルームに LINE の利用者が入っている場合も通話できません。
リモートデスクトップで別のパソコンに接続して会議に出ている場合は、接続の設定の確認が必要です。リモートの音声を手元のパソコンで再生し、手元のパソコンから録音する設定になっている必要があります。Microsoft のヘルプは、この設定をスピーカーとマイクの両方の確認項目に入れています。
特定の社員だけで繰り返し起きるなら、その端末の設定か、貸し出している機器を疑います。会議のたびに同じ人が同じ症状を出す場合は、会議中の対応で終わらせず、会議のない時間に見る予定を入れます。
5その場で直らないなら、会議に参加できる形に逃がします
会議はその間も進んでいます。5分ほど試して直らなければ、原因の追究をやめて、参加できる形を用意します。
手元のスマートフォンに会議のアプリを入れて入り直してもらう方法が一番早いことが多いです。Microsoft Teams には、マイクが使えないときに電話番号を入力し、Teams からかかってきた電話で会議の音声につなぐ機能もあります。会議の主催者に事情をチャットで伝え、要点を文字で共有してもらう手も残ります。
対応が終わったら、症状と直した方法を短く記録しておきます。「ヘッドセットを挿し直したあとに出力先が戻る」のような原因は同じ機種で繰り返し起きるので、次に同じ相談が来たときに最初に案内できます。
自社の規程で確認すること
会社によって答えが変わる部分です。社員に答える前に確かめてください。
- 会議に使うツール(Microsoft Teams、Google Meet、LINE WORKS など)
- 管理者が音声・ビデオ通話や画面共有を制限しているか
- 社内から外部への通信がプロキシサーバーを経由するか
- 会議中に連絡してもらう窓口と、その連絡手段(電話か、別のチャットか)
- 貸し出せるヘッドセットの在庫と、受け取る場所
社内FAQに貼れる回答文例
【】の部分を自社の内容に書き換えて使えます。
Q. オンライン会議で音が聞こえないときは、どうすればいいですか?
A. 会議中で急ぐときは、【情シスの窓口(内線◯◯)】へ電話してください。画面を見ながら一緒に確認します。
自分で試す場合は、次の順で確かめてください。
1. 聞こえないのが全員の声か、特定の人の声かを確かめてください。特定の人だけなら、その人にミュートの解除をお願いしてください。
2. 全員の声が聞こえない場合は、会議以外の音(動画など)が出るかを試してください。出るなら、【会議アプリ名】の設定でスピーカーに使う機器を選び直してください。
3. 自分の声が届かない場合は、会議の画面のマイクの印、ヘッドセットのミュートのスイッチ、パソコンの設定>プライバシー>マイクの許可を順に見てください。
5分試しても直らないときは、原因を探すのをやめて、スマートフォンのアプリから会議に入り直してください。会議のあとで、【情シスの窓口】が原因を調べます。
続けて聞かれやすいこと
声は聞こえるのですが、途切れ途切れになります
機器の選び間違いではなく、通信の状態による症状です。Google Meet のヘルプも、マイクとスピーカーに問題がなく音が聞こえている場合は、品質のトラブルシューティングを見るよう案内しています。無線ではなく有線の接続に変える、Wi-Fi のアクセスポイントに近づく、カメラを切る、といった対応を伝えます。
画面共有で資料の動画を流したのに、音だけ相手に届きません
画面を映すことと、パソコンの音を相手に送ることは別の操作です。Google Meet のヘルプは、スマートフォンからは音声を共有できず、パソコンでは画面全体ではなくタブを共有するよう案内しています。Microsoft Teams にも、共有のときにコンピューターの音を含める設定があります。
イヤホンをつないだら、かえって音が出なくなりました
会議のアプリが、つなぐ前の機器を使い続けている状態です。アプリの音声設定を開き、スピーカーとマイクの両方を新しい機器に選び直してもらいます。Bluetooth のイヤホンの場合は、前に使ったスマートフォンなど別の端末につながっていないかもあわせて確認します。
答えるときに間違えやすいこと
- 誰の声が聞こえないかを聞かないまま、パソコンの再起動を案内してしまう
- 話している人のマイクが原因なのに、聞こえない側の設定ばかり確認させる
- ミュートの解除だけを伝え、アプリで選ばれている機器そのものを確認しない
- 会議中の社員に長い手順を文章で送り、読んでいる間に会議が進んでしまう
- プロキシや管理者の制限で使えない機能を、社員の設定の問題として探し続ける