情シス

スマホを機種変更したら認証アプリが使えなくなったと言われたら

2026年9月16日に内容を確認

社員からはこう聞かれます

  • スマホを買い替えたら、会社のメールにログインできなくなりました
  • 認証アプリを入れ直したのに、コードが出てきません
  • 前の携帯はもう下取りに出しました。どうすればいいですか?

ひと言でいうと

認証アプリの登録は、SIMや電話番号を新しいスマホに移しただけでは移りません。前のスマホがまだ使えるなら、アプリの移行機能で新しいスマホに移せます。手元にないときは、社員が別の認証方法で再登録するか、担当者が本人確認のうえ古い登録を削除します。

機種変更のあと、会社のアカウントにログインできなくなった社員からの相談です。本人は電話番号をそのまま引き継いだつもりでいるため、なぜ認証だけ通らないのかが分かっていません。前のスマホが手元にあるかどうかで、その場で直せるか、担当者の作業が要るかが分かれます。

機種変更で認証できないときの見分け方
前のスマホが手元にあり、認証アプリを開けるか
  • はい
    アプリの移行機能で新しいスマホに移してもらう
  • いいえ
    SMSなど別の認証方法を登録しているか
    • はい
      その方法でログインし、自分で登録し直してもらう
    • いいえ
      本人確認をしてから、管理画面で認証方法を削除する

答えるときに押さえること

1まず、前のスマホが手元にあるかを確かめます

認証アプリは、スマホの中に本人確認用の鍵を持っています。電話番号やSIMを新しい端末に移しても、アプリの中の登録が一緒に移るとは限りません。社員が「引き継いだはずなのに使えない」と戸惑うのは、ここが理由です。

最初に聞くのは、前のスマホが手元にあるか、電源が入って操作できるか、初期化や下取りをしていないかの3点です。前のスマホでアプリを開けるなら、アプリの移行機能で新しい端末に移せることがあります。クラウドに保存した内容を新しい端末で復元できるアプリもあります。

ただし、会社のアカウントの登録まで復元されるかは、アプリと設定によって変わります。戻る前提で案内せず、新しいスマホで実際にログインできるところまで社員に確かめてもらいます。

前のスマホの初期化や下取りを済ませた場合や、壊れて画面がつかない場合は、アプリの中の登録をもう取り出せません。次の手順に進みます。

2別の認証方法を登録していれば、社員が自分でやり直せます

多要素認証では、認証アプリのほかにSMSや電話、予備のコードなど、複数の方法を登録できます。社員が2つ以上登録していれば、担当者の手を借りずに直せます。

案内する流れはこうです。パソコンから会社のアカウントにログインし、認証を求められた画面で別の方法に切り替えます。SMSや電話で本人確認を済ませたら、アカウントのセキュリティ設定の画面を開き、新しいスマホでアプリを登録します。新しいほうで認証できたことを確かめてから、前のスマホの登録を削除します。

削除を先にしないのは、登録の途中でつまずいたときに、どの方法でもログインできなくなるからです。社員には「新しいほうを足してから、古いほうを消す」と伝えると通じます。古い登録を残したままだと、ログインのたびに前のスマホへ通知が飛ぶので、消すところまでやってもらいます。

社員が何を登録したか覚えていないこともあります。担当者は管理画面で認証方法の一覧を確認できます。先に確かめてから案内すると、やり取りの往復が減ります。

3担当者が登録を削除するときは、先に本人確認をします

別の方法を登録していない社員は、自分ではログインできません。担当者が管理画面から、その社員の認証方法を削除します。削除すると、次のログインで登録をやり直す画面に進みます。

この操作の前に、依頼してきた人が本当にその社員かを確かめます。「機種変更で認証アプリが使えない」は、乗っ取りを狙う相手にとって使いやすい言い回しでもあります。パスワードだけ手に入れた相手が、多要素認証を外させるために同じことを言ってきます。

確認は、依頼が届いた経路とは別の方法で行います。たとえば、登録済みの携帯電話や内線にかける、上長へ確かめる、対面で社員証を確認する、といった方法をとります。チャットの往復だけで済ませないようにします。

削除したあとは、社員がその場で登録し直せたところまで見届けます。多要素認証が必須の設定なら、登録を終えるまでその社員はログインできません。必須でない設定や、一時的に除外している場合は、多要素認証が外れたまま放置される危険があります。

4次の機種変更で同じ相談が来ないよう、事前の案内を置きます

この相談は、端末を替えたあとに届きます。替える前に一手間かけてもらえば、ほとんどは起きません。

社内のFAQや案内文に、機種変更の前にやることを書いておきます。伝える内容は、予備の認証方法を登録することと、前のスマホを手放す前にログインを確認することの2点です。下取りに出す日と新しいスマホを使い始める日をずらすよう伝えると、やり直しがききます。

私物のスマホに会社の認証アプリを入れてもらっている会社では、社員が各自のタイミングで機種変更します。担当者が事前に把握する方法はないので、入社時の案内と年に一度の注意喚起で伝えておきます。

相談が月に何件も来るなら、管理画面で認証方法が1つだけの社員を調べ、予備の登録を促したほうが問い合わせを早く減らせます。

自社の規程で確認すること

会社によって答えが変わる部分です。社員に答える前に確かめてください。

  • 会社のアカウントで使ってよい認証方法(認証アプリ、SMS、電話、予備のコードなど)
  • 認証方法を(主と予備を合わせて)2つ以上登録するよう社員に求めているか
  • 認証方法の削除を頼む窓口と、受け付ける連絡手段
  • 本人確認のやり方(折り返す電話番号、上長への確認など)
  • 私物のスマホに会社の認証アプリを入れてよいか

社内FAQに貼れる回答文例

【】の部分を自社の内容に書き換えて使えます。

回答文

Q. スマホを機種変更したら、認証アプリで認証できなくなりました。どうすればいいですか?

A. まず、前のスマホが手元にあるかを確かめてください。

前のスマホで認証アプリを開けるなら、アプリの移行機能で新しいスマホに移せることがあります。移したあとは、新しいスマホで【会社のアカウント】にログインできるところまで確かめてください。

前のスマホを初期化したり下取りに出したりした場合や、壊れて画面がつかない場合は、別の認証方法を使います。【SMS・電話】を登録していれば、パソコンからログインし、認証の画面で方法を切り替えてください。【セキュリティ情報の設定画面】で新しいスマホを登録したあと、古い登録を削除します。

別の認証方法を登録していない場合は、【情シス窓口の連絡先】に連絡してください。本人確認のため、【会社に登録済みの携帯電話番号】に折り返します。確認が取れたら登録を削除しますので、その場で登録し直してください。

次の機種変更に備えて、認証方法は2つ以上登録しておいてください。

続けて聞かれやすいこと

答えるときに間違えやすいこと

  • 本人確認をせず、チャットで届いた依頼だけで認証方法を削除してしまう
  • 新しい端末を登録したあとに古い登録を消し忘れ、前のスマホに飛んだ通知を社員が待ち続ける
  • アプリのバックアップから会社のアカウント分も必ず戻ると思い込んで案内する
  • 削除したあとに登録し直したかを確かめず、多要素認証が外れたままにする
  • 「パスワードを忘れた」という相談と同じ手順で片付けようとする