情シス

新しいパソコンの初期設定を聞かれたら

2026年10月12日に内容を確認

社員からはこう聞かれます

  • 新しいパソコンが届いたんですが、初期設定は自分でやるんですか?
  • 前のパソコンのデータは、どうやって新しいほうに移せばいいですか?
  • 設定が終わるまで、前のパソコンを使っていていいですか?

ひと言でいうと

会社のパソコンは、OSとソフトの更新、ウイルス対策ソフトの確認、画面ロックの設定まで済ませてから業務に使い始めます。渡す前にどこまで担当者が設定するかは会社ごとに違うので、【初期設定の手順書】で分担を示し、データの移行は【ファイルの保存先】を使ってもらいます。

新しいパソコンを渡したあとに来る質問は、どこまで自分で設定するのか、前のデータをどう移すのか、いつから仕事に使えるのかの3つです。社員が気にしているのは、設定の途中で手が止まってその日の仕事ができなくなることと、前のパソコンにあるファイルが消えることです。

新しいパソコンを渡すまでの流れ
  1. 1担当者資産台帳に登録し、会社アカウントを割り当てる渡す前
  2. 2担当者OSとソフトの更新を適用し、ウイルス対策ソフトを確認する渡す前
  3. 3社員会社アカウントでサインインし、多要素認証を登録する受け取った日
  4. 4社員画面ロックとパスワードを決まりに沿って設定する受け取った日
  5. 5社員ファイルの保存先にサインインし、データを確かめる
  6. 6社員古いパソコンを返却先へ返す返却期限まで
  7. 7担当者台帳の持ち主を書き換え、回収した端末を初期化する

答えるときに押さえること

1渡す前にやることと、社員にやってもらうことを分けます

初期設定という言葉は、会社によって指す範囲が違います。パソコンを箱から出して業務に使えるようにするまでには、いくつもの作業が入ります。資産台帳への登録、会社アカウントの割り当て、OSとソフトの更新、ウイルス対策ソフトの確認、業務ソフトの用意、ファイルの移行、プリンターなど周辺機器の接続です。

このうち担当者側で先に済ませるものと、社員の手元でやってもらうものを決めて、1枚の手順書にしておきます。社員が知りたいのは「自分は何をどの順でやるのか」なので、手順書の番号を伝えるだけで案内が済みます。手順書がないと人によって設定の中身が変わり、あとから問い合わせを受けたときに、その端末に何が入っているか分かりません。

2OSとソフトの更新は、業務を始める前に終わらせます

IPAは対策の基本として、パソコンのOSや各種ソフトに修正プログラムを適用し、最新のバージョンに更新することを挙げています。あわせて、ウイルス対策ソフトの定義ファイル(パターンファイル)を常に最新の状態に保つよう求めています。箱から出したばかりのパソコンは、工場で作られてから時間がたっているので、更新がたまっています。

更新には再起動が何度も入り、回線の速さによっては数十分から数時間かかります。「受け取った日の午前は更新に使ってください」と先に伝えておけば、その日に仕事が止まったという話になりません。更新作業が終わったら、更新が自動で適用される設定になっているか、ウイルス対策ソフトが動いているかを、社員の画面で一緒に確かめます。

3パスワードと画面ロックの決まりは、渡すときに伝えます

IPAは企業や組織で働く人向けの対策として、パスワードに大小英字、数字および記号を混在させて最低でも10文字にすることを挙げています。ほかのサービスとパスワードを使い回さないこと、離席のときに画面をロックすることも、同じ対策に並んでいます。初期設定はパスワードを最初に決める場面なので、ここで決まりを伝えるのが一番早いです。

総務省は、パスワードの定期的な変更は不要で、流出が分かったときに速やかに変更するという考え方を示しています。「3か月ごとに変えてください」と案内してきた会社にとっては、決まりを見直す機会になります。多要素認証を使っている会社では、初期設定の流れの中で登録まで終わらせてもらいます。

4データの移行は、ファイルをどこに置いているかで案内が変わります

クラウドにファイルを置いている会社では、新しいパソコンで会社のアカウントにサインインすれば、同じファイルが見えます。Microsoftは、OneDriveを使う場合の手順として、前のパソコンと同じアカウントでサインインしてファイルを開く方法を案内しています。デスクトップ、ドキュメント、画像のフォルダーをバックアップの対象に選ぶ設定も載っています。

パソコン同士をつないで設定ごと移したいと言われることもあります。ただ、Windowsの「新しいPCに情報を転送する」機能は使えなくなっていて、Microsoftは代わりにWindowsバックアップと復元を使うよう案内しています。

どの方法でも、クラウドに保存されないデータや設定が手元に残ります。パソコンに保存したメールのデータファイル、ブラウザのブックマークと保存したパスワード、単語の辞書登録、印刷の設定です。業務ソフトの入れ直しも必要になります。移行の案内には、この一覧を付けておきます。

5古いパソコンの返却先と期限を、最初に伝えます

移行が終わったあとも古いパソコンを手元に置いたままにすると、更新されない端末が社内に残ります。新しいパソコンを渡すときに、いつまでにどこへ返すかを一緒に伝えます。

返す前の確認は、社員に依頼します。手元に残したファイルを移したか、ブラウザに保存したパスワードを消したか、電源アダプターなどの付属品がそろっているかを確かめてもらいます。担当者側では、資産台帳の持ち主を書き換え、ソフトのライセンスを新しい端末に付け替え、回収した端末の初期化や、廃棄の手配をします。

自社の規程で確認すること

会社によって答えが変わる部分です。社員に答える前に確かめてください。

  • 初期設定のうち、担当者側で済ませる範囲と社員にやってもらう範囲
  • 社員が使う会社アカウントの渡し方と、多要素認証の登録方法
  • パスワードの決まり(文字数、使い回し、変更の扱い)
  • ファイルの保存先(クラウドか、社内のファイルサーバーか)
  • 業務ソフトの入れ方と、申請が要るか
  • 古いパソコンの返却先と返却期限

社内FAQに貼れる回答文例

【】の部分を自社の内容に書き換えて使えます。

回答文

Q. 新しいパソコンが届きました。初期設定はどうすればいいですか?

A. 新しいパソコンは、【初期設定の手順書】の順に設定してください。

1. 【会社アカウント】でサインインし、【多要素認証の登録方法】のとおりに多要素認証を登録します。

2. OSとソフトの更新を実行して、再起動します。更新には【所要時間】がかかるので、業務を始める前に終わらせてください。

3. 画面ロックとパスワードを【パスワードの決まり】に沿って設定します。

4. 【ファイルの保存先】にサインインして、前のパソコンのファイルが見えるか確かめます。

メールをパソコンに保存している場合のデータファイル、ブラウザのブックマーク、単語の辞書登録、印刷の設定は、自動では移りません。必要なものがあれば【問い合わせ窓口】に相談してください。

古いパソコンは【返却期限】までに【返却先】へ返してください。

続けて聞かれやすいこと

答えるときに間違えやすいこと

  • 更新にかかる時間を伝えずに渡し、受け取った日に社員の仕事が止まる
  • 移行を社員任せにして、ブラウザのブックマークやパソコンに保存したメールが消える
  • 古いパソコンの返却期限を決めず、更新されない端末が社内に残る
  • 手順書がないまま人ごとに設定し、その端末に何が入っているか分からなくなる

出典

2026年10月12日時点で内容を確認しています。