人事・労務

体調不良で休むときの連絡方法を聞かれたら

2026年9月23日に内容を確認

社員からはこう聞かれます

  • 熱があるので今日は休みたいのですが、誰にどうやって連絡すればいいですか?
  • 朝の始業前に電話しないとだめですか。チャットで送るだけでもいいですか?
  • 今日の休みは有給にできますか。それとも欠勤になりますか?

ひと言でいうと

体調不良で休むときの連絡先や連絡の手段は法律では決まっておらず、会社ごとに就業規則などで定めます。【連絡先】へ【連絡の期限】までに連絡してもらい、休む見込みの日数もあわせて聞きます。年次有給休暇を使うか欠勤にするかで賃金の扱いが変わるので、そこも確認します。

体調不良の連絡方法を聞いてくる社員は、連絡先と締め切りだけでなく、その日の給与がどうなるかを気にしています。「上長に連絡してください」とだけ返すと、休んだ日が有給か欠勤かを後日また聞かれます。連絡の手順と、休んだ日の賃金の扱いを一度に伝えます。

体調不良で休む日の連絡と、そのあとの扱い
  1. 1社員連絡先へ休むことを伝える始業前
  2. 2社員引き継ぐ仕事と連絡のつく時間帯を伝える当日
  3. 3会社有給休暇か欠勤かを確認して勤怠に記録する当日
  4. 4会社4日以上続くときは傷病手当金の申請を案内する4日目以降

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)「健康保険法」

答えるときに押さえること

1連絡の手順は就業規則で決めておくと答えます

体調不良で休む日の連絡先や連絡の手段について、労働基準法に定めはありません。決めるのは会社です。常時10人以上の労働者を使用する会社は、始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇に関する事項を就業規則に書き、行政官庁に届け出ることになっています(労働基準法89条1号)。欠勤するときの連絡先と期限も、ここに書いておくと毎回の説明がいりません。

決めておく項目は3つです。誰に連絡するか(部署の代表の窓口か、直属の上長か)、いつまでに連絡するか(始業時刻の何分前までか)、どの手段で連絡するか(電話、チャット、メール)です。

連絡してもらう中身は、休む日、その日の仕事で誰かに引き継ぐものがあるか、日中に連絡がつく時間帯の3つで足ります。病名や症状まで聞き出す必要はありません。

2当日の年次有給休暇を認めるかを決めておきます

年次有給休暇は、社員が請求する時季に与えなければならないものです(労働基準法39条5項)。ただし、請求された時季に与えることが事業の正常な運営を妨げる場合は、会社は他の時季に与えることができます(同項ただし書)。条文は請求があった時点を前提にしているため、当日の朝の請求をどう扱うかは、会社の運用で決めることになります。

休んだ後から欠勤を年次有給休暇に振り替えることを会社に義務づける規定は、労働基準法にありません。認めている会社は多いものの、法律上の義務ではないので、認めるかどうかと、認めるならいつまでの申し出を受けるかを決めて社員に知らせます。

年次有給休暇の日に払う賃金は、就業規則などの定めによります。平均賃金、所定労働時間働いた場合の通常の賃金、労使協定があれば健康保険の標準報酬月額の30分の1に相当する額の、いずれかです(同条9項)。

3欠勤にした日の賃金の扱いを答えます

欠勤にした日の賃金をどう扱うかは、就業規則の定めによります。月給制で欠勤した日数分を差し引く会社もあれば、差し引かない会社もあります。差し引く場合の計算方法も就業規則に書く事項です(労働基準法89条2号)。

労働基準法26条の休業手当は、使用者の責に帰すべき事由による休業のときに、平均賃金の6割以上を払うものです。社員本人の体調不良による欠勤は、この「使用者の責に帰すべき事由」には当たりません。反対に、本人は働けると言っているのに会社の判断で休ませた日は、同条の対象になるかを個別に確かめます。

連絡がないまま休んだことに制裁として減給を定める場合は、上限があります。1回の額が平均賃金の1日分の半額を超えてはならず、総額が一賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはなりません(同法91条)。働いていない時間の賃金を払わないことは制裁ではないので、この上限とは別に考えます。

4休みが続くときは傷病手当金を案内します

業務外のけがや病気の療養で働けない状態が続くときは、健康保険から傷病手当金が出ます。傷病手当金は、労務に服することができなくなった日から3日を経過した日から支給されます。連続して3日休んだ後の4日目からという意味です(健康保険法99条1項)。

金額の計算には、支給を始める日の属する月以前の直近の継続した12か月間の標準報酬月額を使います。各月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の、3分の2が1日あたりの額です(同条2項)。標準報酬月額が定められている月が12か月に満たないときは、別の計算になります。支給期間は、同じけがや病気について支給を始めた日から通算して1年6か月です(同条4項)。2022年1月1日から、途中で働いた期間があれば繰り越して受けられます。

報酬を受けられる期間は傷病手当金が支給されず、報酬の額が傷病手当金より少ないときにその差額が出ます(同法108条1項)。年次有給休暇を使って給与が出た日は、この扱いになります。

自社の規程で確認すること

会社によって答えが変わる部分です。社員に答える前に確かめてください。

  • 欠勤の連絡先(部署の窓口か直属の上長か)と、いつまでに連絡してもらうか
  • 使ってよい連絡手段(電話、チャット、メール)と、連絡がつかないときの扱い
  • 当日の年次有給休暇を認めるか。休んだ後からの振り替えを認めるか、その申し出の期限
  • 診断書を出してもらう欠勤日数と、その費用をどちらが負担するか
  • 欠勤の連絡を受けた人が、誰にどこまで共有するか

社内FAQに貼れる回答文例

【】の部分を自社の内容に書き換えて使えます。

回答文

Q. 体調不良で休みたいときは、どこにどうやって連絡すればいいですか?

A. 【連絡先】へ、【連絡の期限】までに【連絡手段】で連絡してください。伝えていただくのは、休む日、その日の仕事で引き継ぐものがあるかどうか、日中に連絡がつく時間帯の3つです。病名や症状を細かくお知らせいただく必要はありません。休んだ日を年次有給休暇にするか欠勤にするかは、【有給の申し出方法】でお知らせください。休んだ後からの振り替えは【振り替えの期限】までお受けします。欠勤にした日の賃金の扱いは就業規則の【該当条文】のとおりです。【診断書が必要な欠勤日数】を超えて続けて休むときは、診断書をお出しください。業務外のけがや病気で連続して3日休み、4日目以降も働けないときは、健康保険から傷病手当金を受けられる場合があります。【健康保険の担当窓口】までご相談ください。

続けて聞かれやすいこと

答えるときに間違えやすいこと

  • 休んだ後から欠勤を年次有給休暇に振り替えることを、会社に義務づける規定は労働基準法にありません。認めるかどうかを決めて社員に知らせておきます
  • 労働基準法26条の休業手当は、使用者の責に帰すべき事由で休ませたときのものです。社員本人の体調不良による欠勤には当てはまりません
  • 傷病手当金が出るのは、連続して3日休んだ後の4日目からです。年次有給休暇を使って給与が出た日は、その額との差額だけになります(健康保険法108条1項)
  • 減給の制裁を就業規則で定める場合、1回の額は平均賃金の1日分の半額まで、総額は一賃金支払期の賃金総額の10分の1までです(労働基準法91条)
  • 連絡を受けた担当者が、病名や通院先を周りに伝えないようにします。共有するのは、休むことと復帰の見込みだけで足ります

出典

2026年9月23日時点で内容を確認しています。