経費精算のお金はいつ振り込まれるか聞かれたら

社員からはこう聞かれます
- 先月出した経費精算、いつ振り込まれますか?
- 交通費を申請したのに、給料と一緒に入っていませんでした
- 立て替えた8万円、カードの引き落としに間に合いますか?
ひと言でいうと
立て替えた経費の振込日を定めた法律はなく、会社ごとの経費精算規程や給与規程で決まります。給与と同じ日に振り込む会社が多くあります。社員には【振込日】と、どの締め日までの申請がその振込に乗るかをあわせて返します。
社員が知りたいのは、立て替えたお金がいつ戻ってくるかという日付です。金額が大きいと、カードの引き落としに間に合うかどうかも一緒に心配しています。申請したのに入金が見つからないという問い合わせも、同じ質問の形で来ます。
- 1社員経費を立て替える
- 2社員締め日までに申請する締め日まで
- 3会社上長が承認する
- 4会社経理が内容を確認し金額を確定する
- 5会社振込日に振り込む給与と同じ日が多い
答えるときに押さえること
1経費精算はいつ振り込まれる?振込日は法律ではなく社内の規程で決まる
立て替えた経費をいつ振り込むかを定めた法律はありません。労働基準法第24条第2項は「賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない」と定めていますが、これは賃金についての決まりです。同法第11条の賃金は「労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの」で、社員が会社のために払ったお金の返金はこれにあたりません。
そのため、振込日は会社の経費精算規程や給与規程で決めます。給与と同じ日に振り込む会社が多く、経費精算の分だけ別の日に振り込む会社もあります。答えるときは、規程に書かれた日付をそのまま伝えます。
振込日が規程に書かれていない会社もあります。その場合は経理の責任者に確認し、決まった答えを社内FAQに残しておくと、次に聞かれたときに迷いません。
2給与と同じ日に振り込む場合と、経費精算の分だけ別の日に振り込む場合
給与と同じ日に振り込む会社では、振込の事務が月に1回で済みます。社員の口座には給与と合わせた金額が1件で入るので、「いくら戻ってきたのか分からない」という質問が出ます。給与明細のどこに経費精算の金額が出るかを、振込日と一緒に案内します。
経費精算の分だけ別の日に振り込む会社では、申請から振込までが短くなります。そのかわり振込の回数と手数料が増え、社員には月に複数回ある振込日を覚えてもらうことになります。通帳に出る会社名の表示が給与と同じだと、どちらの入金か分からないという質問も来ます。
どちらの方法でも、社員に伝えることは、いつ振り込まれるかと、どこを見れば金額が分かるかの2つです。
3どの締め日までの申請がその振込に乗るかまで伝える
振込日だけを答えると、「昨日出した分は今月に入りますか」と続けて聞かれます。振込日と、その振込に乗る申請の締め日をセットで答えます。
申請してすぐ振り込まれるわけではありません。締め日までに出された申請を上長が承認し、経理が内容を確認して金額を確定したうえで、振込の手続きをします。この間に数日から2週間ほどかかります。締め日に間に合わなかった分と、承認が済んでいない分は次の振込に回ります。
実際に遅れる原因で多いのは、上長の承認が止まっていることです。経理が止めているように見えても、申請が承認待ちのまま経理に届いていない場合があります。申請の状態をどこで確認できるかも社員に伝えておくと、同じ問い合わせが減ります。
4立て替えた分の精算に、所得税や健康保険料はかからない
会社が負担すべき費用を社員が立て替えた分の返金は、社員の所得ではありません。所得税は引かれず、源泉徴収の対象にもなりません。健康保険法第3条第5項の報酬は「労働の対償として受けるすべてのもの」なので、健康保険料の計算のもとになる金額にも入りません。
出張の旅費や宿泊費も、所得税法第9条第1項第4号により、その旅行について通常必要であると認められるものは所得税がかかりません。ただし、実費ではなく定額で払う日当は、通常必要と認められる範囲を超える部分が給与として課税されます。自社の日当の金額がこの範囲に収まっているかは、経理の責任者に確認します。
「振込額が申請した金額より少ない」と言われたときは、給与と合わせて振り込んでいて、給与の分から所得税や社会保険料が引かれているだけのことが多いです。給与明細のどの欄に経費精算の金額が出るかを示しながら、申請額のまま振り込まれていることを確かめます。
5振り込まれていないと言われたときに確認する順番
申請が出ているか、承認が済んでいるか、締め日に間に合っていたか、どの振込に乗ったか、口座情報が正しいか、の順で見ます。社員は出したつもりでも、下書きのまま残っていることがあります。
申請も承認も済んでいて締め日にも間に合っているなら、振込の記録で入金を確かめます。給与と合わせて振り込んでいる会社では、総支給額に混ざって見えないだけという場合がほとんどです。
口座情報の誤りで振込が戻ってきているときは、次の振込日まで待ってもらうことになります。この場合は、いつ振り込めるかを先に伝えます。金額が大きくカードの引き落としに間に合わないという相談であれば、前払いの仕組みがあるかどうかも案内します。
自社の規程で確認すること
会社によって答えが変わる部分です。社員に答える前に確かめてください。
- 経費精算のお金が振り込まれる日(給与と同じ日か、別の日か)
- どの締め日までの申請がその振込に乗るか
- 給与明細のどの欄に経費精算の金額が出るか
- 上長の承認が締め日に間に合わなかったときの扱い
- 振込日まで待てない高額の立て替えを前払いできるかどうか
- 口座情報の誤りで振込が戻ってきたときの振り込み直しの日
社内FAQに貼れる回答文例
【】の部分を自社の内容に書き換えて使えます。
Q. 経費精算のお金はいつ振り込まれますか?
A. 経費精算で申請した分は、【毎月◯日】に【給与と合わせて】振り込みます。【毎月◯日】までに申請し、【上長】の承認が済んだ分がその振込の対象です。締め日を過ぎた分と、承認が間に合わなかった分は次の振込になります。
給与と合わせて振り込むため、給与明細の【立替経費精算】の欄に金額が出ます。立て替えた実費の精算なので、所得税や健康保険料は引かれません。申請した金額のまま振り込まれます。
振り込まれていないときは、【経費精算システム名】で申請の状態を確認してください。承認待ちのままであれば【上長】に承認を依頼してください。それでも分からないときは【経理担当の連絡先】までお問い合わせください。
続けて聞かれやすいこと
昨日出した分は、今月の振込に間に合いますか?
その振込に乗るかどうかは、締め日に間に合っているかと、上長の承認が済んでいるかで決まります。締め日を過ぎていれば次の振込になることを、日付を入れて伝えます。
詳しくは「経費精算の締め日を聞かれたら」をご覧ください。
給与明細に経費精算の金額が見つかりません。
給与と合わせて振り込む会社では、課税されない支給として給与とは別の欄に出ます。欄の名前は会社ごとに違うので、自社の明細のどこに出るかを示して答えます。
詳しくは「給与明細の見方を聞かれたら」をご覧ください。
振込額が申請した金額より少ないのですが、税金が引かれたのですか?
立て替えた実費の精算は社員の所得ではないので、所得税は引かれません。給与と合わせて振り込んでいる場合は、給与の分から引かれた所得税や社会保険料と混ざって見えています。それでも金額が合わないときは、差し戻した申請がないかを確かめます。
立て替えた金額が大きいので、振込日まで待てません。
前払い(仮払い)の仕組みがある会社は、申請の方法と期限を案内します。仕組みがない場合は、立て替えが高額になる出張や買い物を事前に相談してもらう流れを決めておきます。
詳しくは「立て替えが高額になるので前もってお金が欲しいと言われたら」をご覧ください。
答えるときに間違えやすいこと
- 振込日だけを答えて、どの締め日までの申請がその振込に乗るかを伝えない
- 立て替えた分の精算を給与と同じものとして説明し、税金や保険料が引かれると答えてしまう
- 上長の承認待ちで止まっている申請を、経理の処理が遅れていると説明してしまう